【不登校】子どもからの「前向き宣言」にご用心!

不登校が長期化している子がふとした拍子に「来週から学校行くわー」とか「今度のテストは受けなやばいから受けるわー」と、親が喜ぶような「前向き宣言」を口にすることがあります。にわかには信じがたいと思いつつ、子どもからの自発的な発言だけに、親御さんもついつい期待してしまいがちに。

ところが、実際にふたを開けてみたら・・やっぱり起きてこない・・。「せっかく自分から行くと言ったんだから今日こそは!」と、いつも以上に強く起こしてみるものの結果は同じ。こうして「子どもの方からの前向き(再登校)宣言」→「登校失敗」→「不登校のまま親子の関係がいっそう気まずくなる」・・。このような関係に陥ってしまっているご家族は意外と多いのではないでしょうか。

「なぜ、この子は前向き宣言をしてしまうのか?」。長年の不登校のカウンセリングの経験から、多くの場合は2つの理由から「前向き宣言」をしてしまうことがわかっています。1つは「前向き宣言をして少しでも親に認められたい・喜んでもらいたい」という「気づかいタイプ」。もう1つは「自分をあえて崖っぷちに追い込み、そのプレッシャーで登校しよう」とする「プレッシャーを原動力にして登校しようとする子」です。いずれの場合も、再登校できるという根拠がしっかりしていないだけに、失敗する確率はどうしても高くなります。おまけに、このような宣言と失敗を繰り返していると、やがて親子の間で「再登校・学校」という話題がタブーになる傾向があります。しかし、このままではいっそう再登校の糸口が見えてきません。

一方で、こうした「宣言・失敗」をあえて切り口にし、再登校に導くという方法もあります。これらの失敗を活かす意味でも「親への気づかいをなくすにはどうすれば良いか」「自分に向いている原動力は何か?」を親と子の新しいテーマに設定するのです。そうしてカウンセリングを進める中で「気づかいの多い子」への接し方や会話の進め方のコツを親御さんにつかんでいただきつつ、「自分に合った原動力は何か」といったテーマで親子一緒に相談できるようになってくれば「本当の再登校」が見えてくる場合もよくあるのです。

2015.02.04  著者:《大阪府豊中市 淀屋橋心理療法センター》福田俊一

               

記事内容の監修医師

淀屋橋心理療法センターの所長 福田 俊一

淀屋橋心理療法センター所長 福田 俊一

  • 医師。精神科医。淀屋橋心理療法センターの所長であり創業者。
  • 日本の実践的家族療法の草分け的存在。
  • 初めて家族療法専門機関を日本で設立し、実践、技法の開発、家族療法家の育成に貢献した。
  • その後は、摂食障害、不登校、ひきこもり、うつ、家庭内暴力(子から親へ)、リストカット等の家族療法の開発に尽力している。
  • 著書多数。

シリーズ記事

2015.02.04

1.【不登校】子どもからの「前向き宣言」にご用心!

不登校が長期化している子がふとした拍子に「来週から学校行くわー」とか「今度のテストは受けなやばいから受けるわー」と、親が喜ぶような「前向き宣言」を口にすることがあります。にわかには信じがたいと思いつつ、子どもからの自発的 […]

関連記事

お母さん、今のうちに何かしませんか

お母さん、今のうちに何かしませんか~不登校 『はたして新学年から、うちの子登校できるのかしら』 三学期も2月半ばとなりました。来週から学期末テストが始まります。それが終わると実質的には春休みに入ります。今は学校へ行けてな […]

2024.01.24

拒食症といじめによる不登校を乗り越えた高校生の回復事例
~「私、何とかなる精神で行くねん」~

今回ご紹介するのは、摂食障害(拒食症)といじめによる不登校を克服したさくらさん(仮名)のお話です。 通信制高校の入学式を目前に控え「これからどうなってしまうのだろう・・・」と心配されたお母さんが当センターに来所されました […]

2022.08.12

不登校を乗り越えよう!親御さん向け勉強会レポート

淀屋橋心理療法センターが主催している『不登校を乗り越えるための親御さん向け勉強会』のレポートです。勉強会の内容を一部、ご紹介いたします。 00:16 不登校の現在 00:33 不登校を乗り越えるって、どういうこと? 00 […]

記事一覧へ