サンケイリビング(2005年8月27日号)「ニート」について

わが子が「ニート」にならないために

サンケイリビングの相良記者より、上記のタイトルで取材を受けました。次に紹介するのは、紙面上に掲載された記事です。一般的な「ニート」へのとらえ方が書かれているようです。ここに少し紹介しましょう。

(以下サンケイリビング05.8.27号より抜粋)

親子の会話が「やる気」を育てる

「ニート」という言葉が、ひんぱんにメディアに登場しています。ニートとは、通学も家事も仕事もせず、職業訓練もしていない若者のこと。厚生労働省の発表では、2004年で推計64万人にものぼっています(*)。ニートに陥る一因は、「無気力」なのだそう。そこで、子どもをニートにせず、脱「無気力」で、やる気いっぱいに育てる策を探りました。

* 15歳~34歳の非労働人口のうち、通学も家事もしていない「若年失業者」の数

働くことへの不安、戸惑いが一因に

「うちの子はニートにならないかしら・・・」と、不安に感じている一方で、「ニートなんて関係ない」と思っているミセスも多いのでは。実は、ニートはみんなの暮らしに大きくかかわる問題。働いているフリーターと違い、純粋に労働力の損失になる上、本来、年金を払う世代が、親の年金で養われる逆転現象が起こる可能性もあるからです。

失敗も広い心で受け止めて

・・・また、「『お風呂の中、学校帰り』など、タイミングを見つけ、子どもの話をしっかりと聞くこと。しゃべればしゃべるほど、子どもは意欲がわくもの」と、淀屋橋心理療法センター所長の福田俊一さん。

子どもの気持ちは考えをしっかり受け止める余裕が大切といえそうです。

こんな接し方していない?(チェックリスト作成協力=淀屋橋心理療法センター)

自分の行動を振り返り、ときどきでも当てはまるものにチェックを。 小学校高学年~中学生を想定。

[A]

□学校や友だち、外であったことを、しっかりと聞いていない

□子どもの話の最中に、口をはさんだり、意見を言う

□子どもを聞き役に、愚痴をこぼす

[B]

□子どもが得意なもの・夢中なものを応援できない

□未熟なことを言うと、すぐに訂正・否定する

□あまり好ましくないと思っている友達がいる

[C]

□朝は、どんなにつらそうでもたたき起こす

□食べ残しは認めない

□体調が悪くても、家族の生活リズムを崩さない

アドバイス:[A]が多い人・・・話をもっと聞いてあげよう

子どもの自主性とやる気を伸ばすことにつながります。聞き役に回り、上手に相づちをうって、話しやすい雰囲気づくりを。

アドバイス:[B]が多い人・・・親の価値観を押し付けない

思春期前後は、親から脱皮する「奮闘の時代」。自分の芽が出、考えや好み、やり方などに表れます。親からみて、「間違っている」「もう一つだな」などと思っても、まずは肯定的に見てあげて。

アドバイス:[C]が多い人・・・弱っているときは、ゆっくりソフトに対応

子どもが落ち込んでいるときや、体調不良のときは、ペースを落として。声も低くし、ゆっくり話すほうが子どもは楽。「しんどい気持ちを分かってくれていると、子どもがホッとできることが大切。

(以上)

2019.04.17  著者:《大阪府豊中市 淀屋橋心理療法センター》福田俊一

               

記事内容の監修医師

淀屋橋心理療法センターの所長 福田 俊一

淀屋橋心理療法センター所長 福田 俊一

  • 医師。精神科医。淀屋橋心理療法センターの所長であり創業者。
  • 日本の実践的家族療法の草分け的存在。
  • 初めて家族療法専門機関を日本で設立し、実践、技法の開発、家族療法家の育成に貢献した。
  • その後は、摂食障害、不登校、ひきこもり、うつ、家庭内暴力(子から親へ)、リストカット等の家族療法の開発に尽力している。
  • 著書多数。

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