マイペース

中1のH美さんのお話です。H美さんが「登校は7時44分」と自分で決めています。早めに用意が出来ていても7時44分になるまではテレビを見たり漫画本を見たりしながら時間潰しです。

逆に用意に手間取って7時45分になってしまったらパニックです。「あーもう行けない、どうしょう」と大騒ぎです。

徒歩でいける学校です。一分遅れようが一分早く出ようが何の問題もないのに、何故この7時44分に執着してしまうのか、どうすればいいのかと困惑気味のお母さん。

朝はこの縛りがある為お母さんは「今日は間に合うか。急なアクシデントがなければいいが」とはらはらの毎日です。

この様に自分の段取りが崩しにくい持ち味も発達障害と言われる人の特徴の一つです。もう少し融通を利かせれば楽なのに、それがなかなか自分で許せないのです。

「H美さんを成長させる事で柔軟な考えが出来るようになってきますよ」というカウンセラーの言葉に、お母さんの表情が輝き引き締まりました。

2011.09.08  

               

記事内容の監修医師

淀屋橋心理療法センターの所長 福田 俊一

淀屋橋心理療法センター所長 福田 俊一

  • 医師。精神科医。淀屋橋心理療法センターの所長であり創業者。
  • 日本の実践的家族療法の草分け的存在。
  • 初めて家族療法専門機関を日本で設立し、実践、技法の開発、家族療法家の育成に貢献した。
  • その後は、摂食障害、不登校、ひきこもり、うつ、家庭内暴力(子から親へ)、リストカット等の家族療法の開発に尽力している。
  • 著書多数。

シリーズ記事

2011.09.08

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