新学年のクラス替えで友だちと離れて不登校に!

あー!、○○とクラスが分かれたー・・

新学年になると「クラス分け・クラス替え」が待っています。友だちの少ない不登校気味の子や人見知りの強い子にとって「クラス替え」はまさに一大イベント。そんな子にとって、せっかくできた友だちとクラスが分かれてしまうのは、この上なくショックなことです。

中学校や高校に入学する際にも「どんな子と一緒のクラスになるんだろー」「趣味の合う子はいるかなー」など不安を抱きがちですが、これは他の新入生にとっても同じこと。誰もが不安を抱きながら学校生活を過ごしているうち、席替えで隣同士になった子と趣味が合ったり、部活動で一緒になって行動をともにするようになったりしつつ友だち関係を育んでいきます。

特に、恥ずかしがり屋で人見知りの子は学年の後半になってやっと友だちができるということも珍しくありません。ところが、苦労してやっとの思いで友だちができた子にも「クラス分け・クラス替え」はやってきます。せっかく友だちになれたんだから次の学年でも一緒のクラスになりたいという願望が強い中、突然の悲劇が!。

周りを見渡すと仲良しの子と同じクラスになれて喜び合っている光景を目にしたり、元々仲の良かった3人組のうち、自分以外の2人が同じクラス同士になっていることを知ったりすると、子どもさんの孤立感・孤独感はピークを迎えるのです。

「あー、俺(わたし)だけが、ぼっちやー・・」

「ひとりぼっち」を省略した「ぼっち」。この「ぼっち状態」が「不登校」のきっかけや引き金になるケースが少なくありません。

こんな時は親御さんの出番です。新しく友だちができるまで、親御さんが子どもさんの「孤独感・孤立感」のメンタル面でのサポートをお願いします。毎日のように「あー、明日学校行くのイヤだなー」「今日も(学校が)面白くなかった!」と、不安やグチをしっかりこぼせる子なら、親の対応で不登校をふせぐこともできます。一方、もともと口数の少ない子の場合、子どもさんのわずかな発言にも要注意。数ある注目ポイントの中でも一番の重要キーワードは「ぼっち」。ぼそっと「ぼっちやー」と一言口にするだけでは、ついつい聞き流してしまいがち。しかし、この「ぼっち」発言だけにはしっかりとアンテナを張っておいて下さい。

2014.04.17  著者:《大阪府豊中市 淀屋橋心理療法センター》福田俊一

               

記事内容の監修医師

淀屋橋心理療法センターの所長 福田 俊一

淀屋橋心理療法センター所長 福田 俊一

  • 医師。精神科医。淀屋橋心理療法センターの所長であり創業者。
  • 日本の実践的家族療法の草分け的存在。
  • 初めて家族療法専門機関を日本で設立し、実践、技法の開発、家族療法家の育成に貢献した。
  • その後は、摂食障害、不登校、ひきこもり、うつ、家庭内暴力(子から親へ)、リストカット等の家族療法の開発に尽力している。
  • 著書多数。

シリーズ記事

2014.04.17

1.新学年のクラス替えで友だちと離れて不登校に!

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