摂食障害・拒食症 母親や姉妹等の家族に食べさせる

摂食障害・拒食症のご本人は、家族に少しでも多くの量を食べさせようとする場合がありますが、摂食障害・拒食症の姉が、妹の食事内容に細かく注文をつけるというケースがありました。このケースでは姉が治ってくると妹も楽になってきました。

今までは、姉が妹に対して「食べろ、食べろ」としつこく言い、沢山盛り付けて食べる事を強制する。妹の食べる量が気になって仕方がない姉が、妹が食べる食事の量を監視するまでになりました。見かねた母親が少しでも妹の肩を持つと不機嫌になりさらに状況が悪化します。

カウンセリング治療を続け、姉の摂食障害・拒食症が好転した今は、そういう束縛もなくなりました。妹は姉が強制する食事ではなく自分の好きなものを食べられるようになってきました。母親も安心して食卓につく事が出来るようになっています。

2015.01.20  著者:《大阪府豊中市 淀屋橋心理療法センター》福田俊一

               

記事内容の監修医師

淀屋橋心理療法センターの所長 福田 俊一

淀屋橋心理療法センター所長 福田 俊一

  • 医師。精神科医。淀屋橋心理療法センターの所長であり創業者。
  • 日本の実践的家族療法の草分け的存在。
  • 初めて家族療法専門機関を日本で設立し、実践、技法の開発、家族療法家の育成に貢献した。
  • その後は、摂食障害、不登校、ひきこもり、うつ、家庭内暴力(子から親へ)、リストカット等の家族療法の開発に尽力している。
  • 著書多数。

シリーズ記事

2015.01.20

1.摂食障害・拒食症 母親や姉妹等の家族に食べさせる

摂食障害・拒食症のご本人は、家族に少しでも多くの量を食べさせようとする場合がありますが、摂食障害・拒食症の姉が、妹の食事内容に細かく注文をつけるというケースがありました。このケースでは姉が治ってくると妹も楽になってきまし […]

関連記事

2022.06.02

拒食症の本人を説得するのは難しい

<子どもの本来の性格> 「拒食症になるまでは、わが子は育てやすかったという方は?」と所長で医師の福田俊一が尋ねると、参加された親御さん全員が手を挙げられました。 これは4月19日(火)に行われた当センター主催の「親御さん […]

症状を長引かせる気がつきにくい家族関係(1)親子の三角関係

両親が子どもを取り込んでいるし、子どももその役割に意義を感じている こうした家族関係は、当事者はなかなか気がつきにくい。そのやり方で毎日の生活がすすんできているから。 この親子の三角関係というのは、他の症状にもよくみられ […]

2011.09.17

2.「過食嘔吐の回数を減らすヒントが見つかったの」

過食が止まらなくて、一日3~4回食べ吐きを繰り返している人がいる。大学三年の美佳子さん。高校時代にダイエットしたのがきっかけで、過食症に陥ってかれこれ5年になる。「食べ吐きを止めたい、けど止められない」。そんな思いに追い […]

記事一覧へ