対人恐怖症・対人緊張症の人は、こんなことがしんどい
こんなことがしんどいって、わかってもらえる?
対人恐怖症・対人緊張症の人は、こんなことがしんどくてたまらない
路上で
- 道ですれ違う人の目が気になる。
- 知らない人なのに、どこに視線をおいていいかわからない。
- 「近づいてきたな」と思うと、身体がこわばってくる。また足がもつれそうになる。
電車や乗り物で
- 電車に乗ると、向かいの席に座っている人が気になる。
- みんなが自分を見ているような気がする。
- 目が合うと、自分のことを笑っているように思える。
学校(職場)で
- 集まって話しているグループが、自分のことを言っているような気がしてならない。
- 自分の発言が、その場をしらけさせているように思える。
- みんなから自分がどう思われているかが、気になって仕方がない。
- 話していると、ほほが緊張で固くなったり、肩に力が入ったりする。
- 先生(上司)の説明を聞いていても周りの人が気になり、頭がボーとして集中できない。
- あいさつをしたり、声をかけようとするが、のどがつまったようで声がでにくい。
- 話しをした後「へんなことをいったんじゃないか」「みんなはどう思っただろう」ということばかりが気になり、眠れないほどである。
人前でなにか物を書くとき(銀行、役所など)
- 誰かが自分をじーと見ているような気がしてならない。
- 書こうとすると、手がかたくなり、ふるえる。
- 聞きたいことがあるが、なかなか言葉が浮かんでこない。
- 説明しようとすると、頭が真っ白になったようになる。
対人恐怖症・対人緊張症で悩んでいる人は、たえずこういう緊張感にさらされている。家にかえると「もうしんどくて、くたくたです」と言う。しなくてはならないことも後回しになったり、友人と会う機会も次第に少なくしたり。だんだん孤立していく自分を感じながら、どうしよもないあせりといらだちに悩まされ続けている。
2019.04.17
記事内容の監修医師
淀屋橋心理療法センター所長 福田 俊一
- 医師。精神科医。淀屋橋心理療法センターの所長であり創業者。
- 日本の実践的家族療法の草分け的存在。
- 初めて家族療法専門機関を日本で設立し、実践、技法の開発、家族療法家の育成に貢献した。
- その後は、摂食障害、不登校、ひきこもり、うつ、家庭内暴力(子から親へ)、リストカット等の家族療法の開発に尽力している。
- 著書多数。
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