朝の会議で話題になった「プリズム」って、どういう意味?
淀屋橋心理療法センターでは、月曜から水曜まで毎朝会議がひらかれます。所長をかこんでスタッフ全員による重要なテーマについての話し合いがあり、報告・連絡・相談(ほうれんそう)が、もれなくおこなわれます。また各スタッフが思いついたアイデアや、気がついた注意事項なども自由なふんいきのなかで出されます。毎朝の会議はオフィス内の風通しのよさに、大きな役割を果たしているようです。
ホームページに「家族のプリズム」がスタート
先週から淀屋橋のホームページに「家族のプリズム(※現在は「家族の協力で立ち直る」)」というコーナーが始まりました。男性スタッフのOさんから「このプリズムっていうのはどんな意味ですかね」と、質問がだされました。「プリズムっていうのは、光の屈折をおこす三角形のガラスのことで。ほら、中学のときに理科の授業でやりませんでした?」「あーあ、そうか、あれですか。そういえば光が七色に変化するので、おもしろがってやっていました」と。「しかしそれが家族療法の面接と、どう関連があるんですか」とさらに質問がきました。
プリズムをとおして家族が変化する
いろんな相談ごとをもってご家族は来所されます。ご相談のなかみはここではおいとくことにして、お話を聞きながら、カウンセラー(セラピスト)はその場にあったアドバイスや課題をお出ししていきます。これによって家族が変わっていく様子を、プリズムの光の変化にたとえたのです。
初めて来所されたころは「もうだめです。わたしらにはどうしようもありません」と、疲労困憊してなすすべもないご両親の様子。これ以上変化のしようがないと思われた家族でも、カウンセリングを重ねるごとにだんだん変わっていかれます。「先生、子どもが朝起きるようになりました」とか「お父さんと息子がいっしょにテレビをみてるんです。びっくりしました」というように。
このように家族は「カウンセラー(セラピスト)の話しやアドバイス」というプリズムを通して、さまざまな変化をしていかれます。プリズムはわれわれカウンセラー(セラピスト)にあたり、小さいけれどその家族にあった変化を起こせるようにしたいと思っています。
2006.09.28 著者:《大阪府豊中市 淀屋橋心理療法センター》スタッフM
記事内容の監修医師
淀屋橋心理療法センター所長 福田 俊一
- 医師。精神科医。淀屋橋心理療法センターの所長であり創業者。
- 日本の実践的家族療法の草分け的存在。
- 初めて家族療法専門機関を日本で設立し、実践、技法の開発、家族療法家の育成に貢献した。
- その後は、摂食障害、不登校、ひきこもり、うつ、家庭内暴力(子から親へ)、リストカット等の家族療法の開発に尽力している。
- 著書多数。
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