『集団のルールが守れない』(別冊PHPより)
個性の強い子に多いと言われますが、そうではなくて「個性を集団のルールにあうように、出し方をしつけ てもらえなかった」のではないでしょうか。
幼いころおもちゃを独り占めするとか、いやなことがあるとすぐ叩くとか、なかなかみんなとうまく遊べない 子がいます。一人っ子であったり、おばあちゃん子であったりすることが多いので、そのせいだろうと思われが ちです。が、本来子どもとはそういう我のかたまりが自然な姿なのです。「好きなおもちゃで遊べないと、つま らないでしょ」「叩かれると、痛いし、イヤなのよ」と、子どもがしたことで、相手がどんな気持ちになるか、 そのつど教えてあげましょう。
自我を出し、思う存分発揮することでその子の個性がぐんぐん伸びていくのですが、そのプロセスでまわりの 人に迷惑をかけたりイヤな思いをさせたりしていたら、伸びた個性は宙に浮いてしまいます。どこかで他人への 思いやりやルールを守る大切さを感じとれないと、結果として社会に適応できない個性になってしまう恐れがあ ります。
ただ納得しないと動けないという子もいます。そのルールを「確かに守ることが大事だ」と、きちんと説明し てもらえないまま、守ることだけ子どもに押しつけているということはないでしょうか。こんな場合、芯に強い ものをもっている子ほど、「守れない」ではなくて[守らない」、という反対行動にでることがよくあります。