朝晩の冷え込みが増し、秋も深まってまいりました。
皆さま、いかがお過ごしでしょうか?
近頃、本屋さんに出かけると、子育てノウハウ本や、親子問題について記された書籍が、たくさん平積みされているところを目にします。子育てに悩み、何か答えはないだろうかと、手に取り、読んでみられた親御さんも多いのではないかな、と思います。
「どうして、うちの子は不登校になっちゃったんだろう」
「わたしの育て方が悪かったから、子どもは摂食障害になってしまったのかな」
「わたしの教育は間違っていたのかな」
考えれば考えるほど、堂々巡り。本を読んでみても、自分が実際にできるか分からない。もう一体どうしたらいいのだろうと、途方に暮れている親御さんもいらっしゃるのではないでしょうか?
当センターは、そんな親御さんのための専門機関です。ぜひ、その悩みを相談していただきたいと思っています。相談することは、決して恥ずかしいことではありません。自分の子どもがつまずいた時、どんな親でも、あたふたしてしまうものです。なぜなら、人間だれもが親になるのは初めてだからです。言うならば、親学校(おやがっこう)の1年生なのです。ドキドキしながら、親学校に入学し、子どもを育て始めます。その中で親は色んなことを経験して、少しずつ少しずつ学んでいくのです。ある時には、自分たちだけでは到底越えられないような険しい山が、目の前にそびえ立つこともあります。そんなどうしたらいいのか分からない時は、助けを求めましょう。1年生なら、きっと言われているはずです。「分からない時は、周りの人や先生に聞きましょう」と。
もちろん、本を読んで、自分で考えてみることも大切です。でも、ずっと考えていると、自分を責めてしまいませんか?親御さんには、どうか自分を責めるのではなく、誰かに相談してほしいと思います。そして当センターが少しでも、そんな皆さんのお力になれれば幸いです。
2020.11.11 著者:《大阪府豊中市 淀屋橋心理療法センター》池尾有希子
記事内容の監修医師
淀屋橋心理療法センター所長 福田 俊一
- 医師。精神科医。淀屋橋心理療法センターの所長であり創業者。
- 日本の実践的家族療法の草分け的存在。
- 初めて家族療法専門機関を日本で設立し、実践、技法の開発、家族療法家の育成に貢献した。
- その後は、摂食障害、不登校、ひきこもり、うつ、家庭内暴力(子から親へ)、リストカット等の家族療法の開発に尽力している。
- 著書多数。
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