<過食症を乗り越えるための親御さん向け勉強会を開催しました!>
秋が深まり金木犀の香り漂う11月2日(火)に「過食症を乗り越えるための親御さん向け勉強会」を開催しました。 当センターでは以前より、「摂食障害を乗り越えるための親御さん向け勉強会」を行っておりましたが、今回は対象を過食症に限定し、開催することに致しました。その理由の一つとしては、やはり同じ摂食障害という枠組みのなかでも、過食症と拒食症では異なる部分も多くあり、一度に皆様へお話しする難しさを感じていたからです。
<過食症とは何か>
「過食症、その正体は何だと思われますか?」
参加された親御さんへ、当センター所長で医師の福田俊一からこう問いかけ、勉強会が始まりました。所長と目が合って、「食べ過ぎること」と答えて下さった親御さんもいらっしゃいました。
たしかに過食症は、漢字で“食べ過ぎる”と書きます。しかし、過食症の本質はそこではありません。根っこにあるものは一体何でしょうか?所長から例えを交えながら、お伝えしました。
<どうして過食をやめられないのか?>
今、過食症のお子さんをみている親御さんは「どうして、やめられないの?」と疑問を持っていることでしょう。
“食欲”というとても強力な敵と戦い続ける日々です。「よし、何も食べなかった」と喜んでは、ある瞬間、食欲に負けてしまい、信じられないほどの量を口から詰め込む。そして無力感に苛まれひどく落ち込む。体重が増えるのが怖くなり、自己嘔吐や下剤服用を行う人もいます。それでもまた食欲を抑え込もうとするのです。負け続けてもやめることはありません。
そんなに苦しいなら、食欲と戦うのをやめればいいのに、と親御さんは思われるでしょう。しかし、過食症の人は負け戦なのにやめようとしません。この戦いを続けることに自分のプライドをかけています。周りが「やめなさい」とどれほど言っても、なかなかやめられません。
<親の接し方で、過食症は治せる>
では、過食症になってしまったらどうすればいいのか。過食症を治すためのキーパーソンは親御さんです。実際に当センターのカウンセリングに通っていただくのは、ご本人ではなく親御さんなのです。
「どうして子どもじゃなくて、私たち親がカウンセリングを受けなきゃいけないの?」と思われることでしょう。「この子をどうにか説得してください」とおっしゃる親御さんの気持ちはわかります。
しかし、先ほども述べたように、ご本人に「過食をやめましょう」と周りがいくら説得を続けたところで、なかなか響きません。今、ご本人が生きる上で一番大事にしている“痩せること”という支柱を、強引に取ってしまうことはとても難しいのです。それに代わる支柱を作ってあげること、それこそが何より求められます。
そして、その支柱作りはカウンセラーと親御さんが協力して進めていきます。だから当センターでは、親御さんにカウンセリングに通っていただくのです。
<親の対応で、過食症を克服したケース紹介>
勉強会では、臨床心理士の福田俊介が【過食症を克服したケース紹介】も行いました。
・過食でうつ。親に頼るのが苦手で、悩みを一人で抱え込む女性
・真面目で優しい「NO」と言えない女性
という2つのケースを紹介しました。
実際の日常場面で、お子さんに対して親御さんにどう対応していただいたか。具体的にご説明しました。参加された親御さんが熱心にメモをとられている姿が印象的でした。
親御さんのみがカウンセリングに通い、お子さんの過食症が治っていく経過を聞いていただいたことで、「だから親の協力が必要なのか」と納得された様子が伺えました。
相談するタイミングを逃さないで!
今回ご紹介したケースでは、口数が多くて、甘え上手な姉が就職をきっかけに実家を離れたことで、それまで口数の少なかった過食症の妹が親に対してよく喋るようになり、そのタイミングで親御さんが当センターに来所されました。福田俊介は「人生と同様で、カウンセリングも相談に来られる“タイミング”が大事。タイミングが遅れてチャンスを逃すというのはとても残念だ」と強調していました。
<質問コーナー>
勉強会の後半には、質問コーナーを設けています。事前にいただいた質問にお答えするほか、その場で直接ご質問いただく時間となっています。
「食べ物は隠しておいた方がいいのですか?」
「学校は休ませた方がいいのですか?」
「子どもが自分で食べ物を買いに行ってしまっているのですが・・・」
「職場のストレスから過食嘔吐してしまっているようで・・・」などなど
親御さんからいくつもご質問いただき、お答えしました。
<まずは一度、勉強会or事前相談へ>
お子さんの摂食障害(過食症、拒食症)で悩まれている親御さん。インターネットを見ると様々な情報が溢れていて、余計に心が疲弊してしまうことはありませんか?
お時間のある時に、まずは一度、勉強会へ参加してみる。もしくは事前相談に行ってみる。そこから始めてみませんか?
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