
— 視点を変えることでお子さんは成長できます ―
今や一般的に知られるようになった“ゲーム依存症”は、2019年、WHO(世界保健機関)により「ゲーム障害」の病名で国際疾病として認定されるほど、社会的な問題となっています。
淀屋橋心理療法センターでも、ゲーム依存症単体でのご相談や不登校のお子さんのゲーム依存症のご相談など多岐にわたるご相談が寄せられています。今回は、ゲーム依存症に的を絞った治療説明会を開催致しました。その中から、ゲーム依存症を解決するために必要なゲームとの付き合い方や親子の接し方、ここでは臨床心理士が話したゲーム依存のカウンセリングのポイントなどをお伝えします。
ぜひご参考になさってください。
※本稿は2022年5月27日に淀屋橋心理療法センターで開催された、ゲーム依存症でお困りの親御さんへの勉強会を基に執筆いたしました。新しい情報を加えて今回お届けいたします。
目次
ゲーム依存症を解決するために

お子さんが夢中になっていることは何でしょう?アニメ、読書、アウトドア、お裁縫・・・ 夢中になれるものは人それぞれで、適度な夢中は、人生に彩りを与えてくれるものですね。
「それ、面白そうだね!」「おすすめ教えて!」と、自分の夢中に興味を持ってもらえるのはとても嬉しいですよね。でも、その夢中が度を越えてしまって、他の生活に支障をきたしはじめたら・・・
自分自身で軌道修正することは、かなり難しいでしょう。
お子さんのゲーム依存は、まさにそんな状態です。
そんな時に、ご家族に本気の手助けがあったなら・・・
淀屋橋心理療法センターではゲーム依存症を解決する確かな道筋をよく知っています。
ゲームを“やめさせる”のではなく、“うまく利用する”ことが大切!

親御さんの中には、お子さんのゲーム依存症を治すために、お子さんをどうにかゲームから引き離そうと、時間制限を強要したり、ゲーム機を取り上げたりすることも少なくありません。ゲーム依存の予防策として、または軽症の場合にはこれらはとても大事なことです。
しかし、当センターに相談に来られるお子さんの場合は残念ながらこの方法では上手くいかないことも多くあります。お子さんは、親御さんが自分をゲームから遠ざけようとする対応に反発して癇癪を起したり、心を閉ざすことがよくあります。
ゲーム依存症を解決するためには、親御さんが、お子さんとゲームを引き離す努力をするのではなく、 お子さんの性格をきちんと理解して、こだわりの強いお子さんの場合は特にコミニュケーションを大切にすることがポイントだと淀屋橋心理療法センターの所長で医師の福田俊一は語ります。
「ゲームに熱中しているお子さんたちに、最も効果的な治療の第一歩は、お子さんの夢中なことについて興味を持ち、お子さんの話を適切に聞いてあげることです。夢中なことを認めてあげることは、お子さんの自尊心を育て、話す力を養うことにつながります。
ゲームに対して嫌悪感のある親御さんは多くいらっしゃると思いますが、お子さんのゲーム依存を治す踏み台として、まずは、ゲームをうまく利用してみませんか?
親御さんがお子さんとの会話のコツをつかむと、お子さんはどんどん元気に話をしてくれるようになります。そうして、会話(雑談)を活性化させることで、ゲーム依存解決の糸口が見えてくるのです。
ただし、会話を活性化させ、解決に導くのはそう簡単なことではありません。
だからこそプロと二人三脚で本当にこれが大丈夫かという所を通り抜け、確かにお子さんが良い方向に変化したと実感できるところまで努力を続けるのです。
子どもの性格をきちんと理解する・・・どうやって?
淀屋橋心理療法センターでは、治療を開始する前に、親御さんにお子さんのことについて詳しくお聞きし、独自の診断方法で、カウンセラーがお子さんの生まれ持った性格(気質)を分析します。
その上で、親御さんにお子さんの性格(気質)に合った対応方法をアドバイスします。
カウンセリングのアドバイスとして、まず親御さんにお願いしていることが、「お子さんとの会話(雑談)を活性化させる」ことです。
最初はそこをメインに注力していただきます。それが、問題解決への第一歩だからです。
子どもはゲームに夢中なのに何を話したらいいの?
親子の会話が大切と言われても、会話はないし…と悩まれる方も多くいらっしゃいます。
そんな時におすすめなのが、会話のきっかけをお子さんの好きなゲームの話題にすることです。
また、お子さんが夢中になっていることに、親御さんが興味を持ってあげることがとても役に立つのです。お子さんのことを知るために、お子さんの心に近づくためにゲームをうまく利用するのです。
始めの内は、簡単に話しに乗ってきてくれないかもしれません。
たくさん会話できるようになるには、コツがあります。当センターのカウンセラーは自信をもってその会話のコツをアドバイスできるでしょう。
ゲーム依存症解決への通過点は?!

「ゲーム依存症を解決する上での必要な通過点があります。それは『お子さんが“元気”な状態であること』です。」
こう語るのは、臨床心理士の福田俊介です。
「当センターでカウンセリングを始めてしばらくすると、ゲームの話題などをきっかけに、お子さんが元気よく話してくれるようになります。
「最近、息子との会話が増えて、とても元気になってきました!もう大丈夫そうです」と安心しきった様子でお子さんのことについて語られる親御さんはとても多いです。
お子さんが元気になっていく姿は、親御さんにとってとても嬉しい事ですよね。
ですが、これはゲーム依存症解決への通過点であって、ゴールではありません。ここからが勝負なのです。
少し元気になってきたとしても、親御さんが油断せずにしっかりとお子さんへの対応を続けてくださる(会話のコツをしっかりと守ってくださる)ことで、何かにつまず躓いたときに自分で対処できるようになる強いお子さんに成長することができるのです。」
お子さんを精神的に成長させるカウンセリングとは?

淀屋橋心理療法センターでは、お子さんが一時的に元気になるだけではなく、将来、自分らしい生き方ができるように、また、何かにつまずいても自分で立ち上がれる(気持ちの整理をつけたり、上手に立ち回れる)ように、力を付けて欲しいと思っています。
お子さんを精神的に成長するために重要なこと
ゲーム依存のお子さんを精神的に成長させるには以下の3つのことが重要です
・お子さんが自分自身で成長したと思えるような成功体験を増やす・自己肯定感を大きくする
・ 他人に強制されるのではなく、自分自身で成長すること
それらをお子さんひとりで成し遂げるのは、とても難しく困難なことです。誰かの手助けが必要です。
親御さんとお子さんとの今まで成し遂げてきた(援助関係)が助けてくれるでしょうし、その親御さんを当センターのカウンセラーが細かくサポートします。
お子さんがカウンセリングを受けなくてもいい?!カウンセリング治療とは?
お子さん自身が喜んでカウンセリングを受けたり、カウンセラーとすごく話しが合えばカウンセリングは成功するかもしれません。
しかし、お子さん自身が手助けされることを嫌がったり、拒否される場合が多いようです。
また、カウンセリングを受けたとしても、お子さんご本人が無理をして頑張ってしまったり、あるいは無気力の返答しかせず本来のその子が見えてこない場合もあります。そうなるとせっかくのカウンセリングも表面だけのアプローチになりかねないのです。
それであれば、「お子さんが気づかないうちにどんどん成長できるような手助けをしよう」というのが、当センターの治療方針の一つであり、強味でもあります。
普段お子さんの側におられる親御さんに、カウンセリングを受けてもらい、その子の「素」、ありのままの様子をうかがいます。また専門家が性格分析をすることで、その子の考え方の特徴や、どうアプローチしたら良いかが見えてきます。
その分析を基に、カウンセラーが親御さんへお子さんとの接し方のアドバイスを差し上げます。
そのアドバイスを基に、親御さんが普段の生活で、お子さんへの接し方を工夫することで、波に乗るとお子さんがどんどん元気になり、よく話しをするようになります。
お子さん自身が、「なんだか最近、自信が持てるようになったな」 と“自分の力で成長した”と感じることが、ゲーム依存症を解決するためにとても大切なのです。
このように、お子さんに“見えない(気づかれない)手助け”ができるのは、身近におられる 親御さんにしかできません。そのガイド役をするのがカウンセラーの役割だと考えています。
当センターのカウンセラーは効果的なカウンセリングを日々研究しつつ、結果の出せる精度の高いカウンセリングをしています。
ゲーム依存症治療説明会に参加して感じた「お子さんのために変わろうとする親御さんの想い」

今回の治療説明会でとても印象的だったのが、治療説明会に参加された親御さんの熱心なお姿です。
お話を伺うと、勉強会に参加される以前にも、インターネットや本などで勉強されたり、お子さんのゲーム依存解決に向けて試行錯誤されているということでした。
熱心に勉強されているので、本当にたくさんのことをご存知なのですが、得た知識の効果的な使い方がわからないというのも、親御さんの悩みのようでした。
人生にいきづまることは、成長のチャンスでもありますお子さんは、まだまだ成長の途中です。
いきづまった時にどう解決すればいいのか、自分らしく強く生きるためにはどうすればいいのかを、これから学んでいきます。
私はゲーム依存症治療説明会に参加して、親御さんやカウンセラーなどが “見えない手助け”をさしあげることで、“自分にはどんな生き方ができるのか”、“どんな自分ならイキイキと毎日を過ごしていけるのか”を、お子さん自身で考える力がつき、お子さんのこれからの可能性をグンッと広げてあげることができると感じました。
この治療説明会が、皆さまにとって良いきっかけとなりますように。
更新日 2025年3月25日
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