当センターのように、親子の対話を通じてお子さんの過食症を治す方法では、一人暮らしというのは、過食症を治す上でとてもチャンスになります。
なぜならば、一人暮らしを開始すると初めて経験することが色々とあるため、話題が増えてコミュニケーションを活性化させやすくなるからです。
過食症の方は、何が自分にとってストレスか自覚するのが苦手な人がとても多いのですが、親子の会話が弾んだり、深まっていくと、お子さんの頭が活性化したり、整理されストレスに気づいたりすることができます。また、深く話すことができるようになれば、モヤモヤ・イライラが解消されやすくなります。カウンセラーのアドバイスでお子さんの語りがより深まれば、過食症の解決に近づいていきます。
過食症のお子さんをお持ちの親御さんは「子供とあまり話が弾まないんです」あるいは「子供が悩みの話ばかりはするけども、楽しい話ができないんです」と、おっしゃる方が少なくありません。このような悩みを持っておられる親御さんにとっては、お子さんの一人暮らしは会話を増やすチャンスです。
電話や LINE 通話などを通じてお子さんとコミュニケーションができ、会話の量が増えたり会話の内容が深まっていけば過食症の治療を大きく前進させることができます。
一人暮らしを始めたときの話題の種類
1.新居の周辺について
例 「家の近くに100円ショップがあってそこがすごく便利。かわいい雑貨屋さんもみつけたよ」
2.学校や職場の人間関係について
例 ①「隣の席にいつも座ってる髪の長い子に話しかけてみようと思ってるんだ」
②「先輩が五つ上の大人しい人なんだけど、実はライブに行くのが趣味なんだって」
3.困りごと
例 ①「ゴミの分別って、どこまで分けたらいいのかなぁ。乾電池はどうしたらいい?」
②「服が黄ばんできたんだけど、漂白剤入れようと思うんだけどもそれで大丈夫かな?」
弾み始めた会話の例
(娘) 「学校ってさ、思ったよりも派手な子が多くてさ、なかなか話しかけられないんだけど、1人友達になれそうな子がいるの。服装も落ち着いた感じだし、ジブリのペンケース使ってるんだよ」
(母) 「へぇ〜、そうなんだ」
(娘) 「 あの子に話しかけたいなぁ〜、でも冷たい反応が返ってきたら嫌だなぁ。私も、ジブリ好きなんだよねって言ってみようかなぁ。あぁ、あんな子と友達になりたい」
※娘さんが、いい感じで喋っています。良いスタートを切れました。しかし、過食症を克服するにはまだまだのレベルです。ここからもっとお子さんが語れるようになるように、親御さんにアドバイスさせていただきます。
海外での一人暮らしの例も
お子さんが海外滞在中に過食症を克服した事例もあります。
例えばアメリカ・イギリスなどの海外留学、またフランスにパティシエの修行に行った女性がお母さんと国際電話をする中で過食症を克服したという例もあります。
海外で暮らすとなると、より話題が増えることが期待されます。
<最初が肝心>
とにかく一人暮らしを始めた最初の段階で、「親との会話って大事だなぁ」、「親に最近経験したことを聞いてもらいたい」とお子さんに思ってもらえることが大事です。
最初にそう思わせることができないとなかなか会話は伸びません。電話すら、かかってこなくなってしまうかもしれません。
是非、お子さんが一人暮らしを始めた時のチャンスをものにしましょう!