リストカットとオーバードーズをカウンセリングで克服するには

リストカットとオーバードーズをカウンセリングで克服するには

2024年7月23日、淀屋橋心理療法センターにて「お子さんのリストカットとオーバードーズに悩まれている親御さん向け治療説明会」が開催されました。

説明会では定番のケース紹介やQ&Aコーナーに加えてグループワークの時間が複数回あり、お子さんの状況や対処方法について活発な意見交換がありました。参加者の皆様のご発言の中から、筆者が印象的だった部分をいくつかご紹介させて下さい。

リスカの痕を見つけてショックです

「16歳、高校2年生の娘が居ます。今年5月に、初めてリスカの痕を腕に見つけ、大変ショックを受けました。娘からは、怒りや恨みがバアっと出てきています。先日、娘と大喧嘩してしまい、ここ2日ぐらいは没交渉です。ここは耐える時、自分を鍛える時だと思い、治療説明会に参加して勉強したいと思いました」

道頓堀のグリ下で地雷系ファッション

「14歳の娘にはリストカットとオーバードーズがあります。一重瞼のコンプレックスが強く、美容整形を切望しています。地雷系ファッションでグリ下(道頓堀のグリコの看板の下)などに行っており、そういう友達の輪の中に入っていて、それをSNSで自慢しています。」

「私は娘との関係性が上手く取れず、親の目が届かない所でリスカやオーバードーズをしてしまうので、とても悩んでいます」

子どもの要望を聞くのは甘やかし?

「娘は希望する高校に入学できましたが、徐々に遅刻や欠席が増え、1ヵ月前からリストカットが始まり、今月からほぼ不登校です。登校しようという意欲はあるものの、非常に自責の念が強く、どうしても登校できないようです」

「東京のクリニックでうつ病と診断され、抗うつ薬を飲んでいます。クリニックの待合室で先生の本『克服できるリストカット症候群』を読み、説明会に参加したいと思いました」

「娘の乱れた生活習慣を心配し小言や叱責を繰り返してしまった事があり、後悔しています。最近は、あまり無理させないで、娘の要望はなるべく聞くようにしていますが、甘やかしているようにも思います」

克服できるリストカット症候群

克服できるリストカット症候群

カウンセリングには興味があるけど心療内科には行けない

「娘は高2の5月から不登校になり、なんとか卒業はできましたが、せっかく入った大学を1年で中退してしまいました。いつもひとりぼっちで、気持ちが不安定になった時にリスカしてしまうようです。」

「娘は心療内科を受診しましたが、2回で行けなくなってしまいました。淀屋橋のカウンセリングは子どもの来所が不要なので、とても関心があります」

スタッフ 公認心理師 益子より

説明会終了後、参加者の皆様から以下のような感想を頂戴しました。

「ケース紹介に聴き入ってしまいました。事例に出てきたマキさんを我が娘のように感じました。参加されたお母さん方の話も切実で、共有させて頂いて有難かったです。Q&Aコーナーでの詳しいアドバイス、大変参考になりました。心が折れそうになっても、先を見据えて、挫けずに行こう、と思えました」

「子どもの気持ちをもっと聴くことが必要だと思いました。何度か心が折れそうになった時もありましたが、諦めずに冷静に対応する事が大事、先を考える事が大事だと再認識できました」

「雑談の大切さ、そこから本人の考える力や自主性を高める事の大切さを知ることが出来ました」

「ケース紹介とQ&Aコーナーが参考になりました。もっとこの治療が広まって、同じような悩みを抱える人が少なくなれば良いなと思いました。このような機会を作って頂きまして、ありがとうございました」 

今日の治療説明会がお子さんの問題を解決する一助となれば幸いです。皆様には酷暑の中ご参加頂き、誠にありがとうございました。

2024.08.29  著者:《大阪府豊中市 淀屋橋心理療法センター》公認心理師 益子玄一郎

               

記事内容の監修医師

淀屋橋心理療法センターの所長 福田 俊一

淀屋橋心理療法センター所長 福田 俊一

  • 医師。精神科医。淀屋橋心理療法センターの所長であり創業者。
  • 日本の実践的家族療法の草分け的存在。
  • 初めて家族療法専門機関を日本で設立し、実践、技法の開発、家族療法家の育成に貢献した。
  • その後は、摂食障害、不登校、ひきこもり、うつ、家庭内暴力(子から親へ)、リストカット等の家族療法の開発に尽力している。
  • 著書多数。

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