家庭内暴力について【子どもから親へ】原因や相談先・カウンセリングで解決したケース紹介

家庭内暴力について【子どもから親へ】原因や相談先・カウンセリングで解決したケース紹介

子どもから親への家庭内暴力で悩まれている方へ。2024年 6月25日(火)に大阪府豊中市にある、淀屋橋心理療法センターで保護者向けの家庭内暴力説明会が行われました。どうして我が子が家庭内暴力を起こしてしまうのか。その原因や暴力・暴言を吐いてしまうお子さんの特徴、また家庭内暴力の種類にはどのようなものがあるか、相談先などをお伝えします。

家庭内暴力の相談先やカウンセリングによる治療ケースも合わせてご紹介します。

家庭内暴力とは?児童虐待、DVとの違いについて

家庭内暴力とは?児童虐待、DVとの違いについて:カウンセリング(家庭内暴力)

一般的に、子どもから親への暴力を「家庭内暴力」と言います。暴力を受ける対象者によってその表現が異なります。例えば、親から子どもへの暴力を「児童虐待」、配偶者やパートナー間での暴力を「DV(ドメスティックバイオレンス)」と言います。ドメスティックバイオレンスは日本語に訳すと、家庭内暴力になります。しかし、2001年に配偶者暴力防止法(DV法)が2001年に施行されてからは、ドメスティックバイオレンスは配偶者、パートナー間の暴力と一般的に認識されてきました。

※本稿では、子どもから親への暴言・暴力を「家庭内暴力」と定義付けて情報をお伝えしていきます。

出典:配偶者暴力防止法 | 内閣府男女共同参画局 (gender.go.jp)

子から親への家庭内暴力が増加

少年による家庭内暴力 認知件数の推移(就学・就労状況別):カウンセリング(家庭内暴力)

出典:令和5年版 犯罪白書 第3編

令和5年犯罪白書によると、子どもから親への家庭内暴力の認知件数が過去20年で増加傾向にあります。平成24年から増加し、令和3年は減少しましたが、令和4年は再び増加傾向にあり4,551件(前年比9.9%増)の認知件数となりました。

令和4年度の場合、中学生が最も多く、高校生、小学生と続きます。特に近年では小学生の家庭内暴力が増加している傾向にあります。

暴力の対象について令和4年度の場合、母親が最も多く、続いて父親への暴力、兄弟姉妹、同居の親族の順番になります。

家庭内暴力が起こる原因

家庭内暴力が起こる原因:カウンセリング(家庭内暴力)

家庭内暴力はさまざまなことが複雑に絡まり合っている為、原因を特定、追求することはとても困難であるといえます。

親御さんは「自分の育て方が悪かったのではないか」とご自身を責めてしまう傾向にありますが、家庭内暴力が起こる背景には、社会環境的要因や、お子さんの特性(持って生まれた性格)、トラウマ、精神疾患や発達障害など、いくつもの要因が関係している場合があるのです。

家庭内暴力の原因・要因

家庭内暴力は1つの原因でなく複数の要因が絡んでいることが多くあります。
きっかけは、「何かに挫折した」ことで始まることが多いです。例えば不登校、ひきこもり、就職試験など。その他にも、精神疾患があり、自分の気持ちを上手くコントロールできない、気持ちを言葉で吐き出せないことが要因となるケースも少なくありません。

社会的環境要因
(ゲーム依存傾向、学校関係・友人間でのストレス)

・お子さんの特性・性格
(こだわり、執着気質)

・トラウマ
(いじめ、虐待、受験に失敗した、事故や病気)

・精神疾患
(統合失調症、強迫性障害など)

・発達障害
(ADHD、反抗挑戦性障害、統合失調症など)

出典:北海道警察ホームページ-少年サポートセミナー問題行動編家庭内暴力- (hokkaido.lg.jp)

ADHD(注意欠陥多動性障害)や精神疾患との関係性

家庭内暴力と関係のある精神疾患として、ADHD(注意欠陥多動障害)や、反抗挑戦性障害、統合失調症などがあります。ストレス耐久の低下が著しく、激しい暴力や言動が続くようであればこれらの可能性も疑わなければなりません。

しかし、ここで注意していただきたいことが、家庭内暴力をしている、イコール精神疾患があると判断することはとても難しいということです。

まずは、家庭内暴力に精通している医療機関・カウンセリングセンターにご相談されることをおすすめいたします。

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発達障害

家庭内暴力の種類

家庭内暴力の種類:カウンセリング(家庭内暴力)

家庭内暴力の“暴力”とは、暴言や身体的な暴力、家具の破壊、家財の破損も含まれます。親御さんは子どもからの暴力ということもあり、精神的にも身体的にも追い詰められてしまう方が多くいます。
まずは、家庭内暴力がどういうものかを一緒に確認していきましょう。

物にあたる・壊す

物にあたる・壊す:カウンセリング(家庭内暴力)

  • テーブルを叩いて大きな音で威嚇する
  • コップやお皿を投げつける
  • テレビの液晶に物を投げて破損させる
  • 壁を殴って穴をあける
  • 親が大切にしているものを壊す
  • カーテンやソファーをナイフなどで切り刻む

親に暴力・暴言

カウンセリング(家庭内暴力)

  • 「死ね」、「消えろ」、「クソババア」などの暴言
  • 大声で怒鳴り散らかす
  • 親に向かって物を投げる
  • 馬乗りになって暴力を振るう
  • 脇腹や脛(すね)を蹴る

家庭内暴力を起こしやすい子どもの特徴

精神科医であり、淀屋橋心理療法センターの所長である福田俊一は、家庭内暴力を起こしやすい子どもの特徴として、以下のように述べています。

「どういう人が家庭内暴力を起こすかというと、やはり執着心の強い人です。執着心が強い人には、物事をやり遂げる、興味のあることに高い集中力を発揮するというプラスの側面と、いつまでも何かが気になってしまうというマイナスの側面があります。
そして、どうすれば自分の人生をより良くできるか、それを掴みあぐねている人が多いです。
“何とかしたい”という気持ちがあるものの、どこに発揮したら良いのかわからない」

淀屋橋心理療法センター 所長・精神科医師 福田俊一

引用:淀屋橋心理療法センター

家庭内暴力の相談先

家庭内暴力の相談先:カウンセリング(家庭内暴力)

お子さんの家庭内暴力に悩まれたら、早めに第三者や相談機関にご相談ください。
親御さんの心や身体が疲れ果ててしまう前に、またそうなってしまっても最悪の事態を防ぐ為には解決の糸口を探ることが大切です。
家庭内暴力の相談ができる公的機関は以下の通りです。

精神保健福祉センター

全国の都道府県に設置されている、心の健康をサポートする機関です。主に、精神保健、精神障害者福祉に関連する、相談や業務を行っています。
精神科などの医療機関や専門機関に繋ぐ働きもしています。

児童相談所・児童相談センター

行政機関として、原則18歳未満の子どもを対象にしています。各都道府県で、相談を受け付けています。児童福祉に特化した専門スタッフと繋がることができます。
家庭内暴力をはじめ、お子さんの非行や不登校、行動や性格上で困っていることなどの相談を受け付けています。

児童家庭支援センター

子どもと家庭に関する問題や相談に必要な助言や指導を行う行政機関です。児童相談所や児童福祉施設と連携したサポートを行っています。お子さんの家庭内暴力に対しての助言や、専門機関へ繋げることなどを行っています。

教育委員会

教育委員会は、都道府県、各市町村などに設置されています。地域の学校教育、社会教育などをサポートしている行政機関です。学校生活のこと、いじめや不登校に関連すること、お子さんの発達や育てていく中での問題についてあらゆる問題を取り扱っています。

教育支援センター

教育支援センターは、主に小中学校を長期で休んでいるお子さんを支援する公的機関です。高校生をサポートしている所もあります。
お子さんが不登校で家庭内暴力を起こしている場合などご相談されるのもいいでしょう。

淀屋橋心理療法センター

淀屋橋心理療法センター:カウンセリング(家庭内暴力)

淀屋橋心理療法センターでは、家庭内暴力に特化した専門の精神科医師、臨床心理士がいます。家族療法によるカウンセリングで家庭内暴力のカウンセリングを行い、根本的な解決に導いています。
また、当センターのカウンセリングは家庭内暴力を起こしているご本人抜きのカウンセリングを行い、成果をあげています。

【公式】淀屋橋心理療法センター|不登校・摂食障害・うつ 親御さんとの家族療法カウンセリング (yodoyabashift.com)

カウンセリングによる家庭内暴力を解決した事例

カウンセリングによる家庭内暴力を解決した事例:カウンセリング(家庭内暴力)

ケイタ君(仮名)中学2年生
ゲーム依存症・家庭内暴力

性格:人目が気になる、完璧主義、こだわり気質、元々は優しい子だった

問題となる行動:(ゲームで負ける→)叫ぶ、暴れる、物を投げる、殴る

初めてのカウンセリング
お母さんは疲れ切った様子で淀屋橋心理療法センターに来所されました。
お母さん自身のコンディションも良くなく、精神を安定させる薬(デパス)を服用されていました。

カウンセラーからのアドバイス①

「ケイタ君の機嫌が良い時の会話(コミニュケーション)を大切にする」

カウンセラーからのアドバイス:カウンセリング(家庭内暴力)

ついつい親は、子どもの問題行動・発言が気になり、子どもが荒れている時にどうしたらいいのかが気になるもの。しかし、カウンセラーはケイタ君の機嫌が良い時の会話(コミニュケーション)に注目するようにアドバイスしました。
機嫌のいい時の会話が親子で上手くできるようになると、癇癪や暴力の頻度が減少してくるからです。

会話を増やす技術

①子どもが言ってきた情報に対して新鮮な気持ちで聞く
(芸能人ネタ、ニュース、スポーツ、ゲームなど)

②子どもが言った情報の小さな間違いは訂正しない
(小さなミスを訂正して、子どもの話したい意欲を奪わない)

【家庭内暴力に耐えてカウンセリングに通った1ヵ月半】

親は子どもの良い変化に気付きにくいもの。カウンセラーがカウンセリング冒頭に「お母さん、何かいい変化はないですか?」とお伺いしますが、「う〜ん…特にないですね」とほとんどの親御さんがそうお答えになります。
しかし、カウンセリングで、お子さんの状態をカウンセラーと分析し、話して行く中で、親御さんの気持ちも落ち着いていきます。思考が整理されてお子さんの小さな良い変化に気付ける状態になるのです。

ケイタ君の良い変化:

  • ゲームの話しが長続きするようになった
  • 不機嫌な時間が短くなった
  • ゴミ出しやお皿を流しに出してくれるようになった
  • 会話にゲーム以外の話しが出てきた(芸能人、ニュース、時事ネタなど)

最初はお子さんが好きなゲームの話題がほとんどでしたが、その話題をきっかけにゲーム以外の話しもしてくれるようになりました。

カウンセラーからのアドバイス②

「会話を増やす上で相手が質問してきたことにズレずに答える」

カウンセラーからのアドバイス:カウンセリング(家庭内暴力)

ついつい親子だと気がゆるんでしまうのか、質問と答えがズレてしまっていることがあります。例えば、子「お母さん、今日雨降っってる?」と聞いたとしましょう。お母さんがここで「あ、今日雨なら洗濯物干せないわね。どうしようかな…」と答えます。この会話を聞いて、違和感を覚えた方もいらっしゃると思います。そう、お子さんは、雨が降っているのか?現在の天気を聞いているのに、お母さんは洗濯物が干せないだろうと心配していますね。実際にこう言った親子のやり取りはごく自然なものなのですが、子どもの会話を増やすといった目的ではNGです。お子さんの話したい気持ちに蓋しかねない答え方だからです。
機嫌の良いお子さんとの会話を増やすためには、お母さんが「今日は午後から雨みたいね。どうかしたの?」と子どもが答えやすい会話のパスを出せる訓練が必要なのです。

カウンセリング開始2ヵ月後

お母さんは、頭痛などの体調不良が続いていましたが、頑張ってカウンセリングに通われました。カウンセラーのアドバイスを参考にケイタ君との対応を工夫していきました。ケイタ君は行動や表情に変化が表れました。

ケイタ君の変化:

  • 暴れるが、暴力がなくなった
  • 機嫌が良い時の表情が明るくなった

子どもとの中身のない会話、雑談がいかにできるかが、ゲーム依存と暴力を解決する上で重要になります。どうでもいい話ができる相手、中身のない話しでも聞いてくれる存在に人は心を開き、本音で話してくれるようになるのです。その親子の関係性を構築することを大事にしています。

カウンセリング開始から3ヵ月後

ケイタ君の言動や行動にも変化が見られるようになりました。

ケイタ君の変化:

  • 「いつもゲームの話しばっかりでごめんね」
    →自分中心の考えから、相手を気遣う気持ちが出てきた。
  • 「ママ来い!」といつも怒鳴っていたが・・・
    →自分からお母さんに寄っていくようになった。
  • 荒れることもあるが、気持ちの切り替えが早くできるようになった。

★このカウンセリングは4ヵ月で回復した事例です。
文章にしてみると、一見簡単に解決したように見えます。しかし、ケイタ君も良い変化がありつつも、一時的に気持ちがダウンし、荒れたことも何度かありました。
その度にカウンセラーは、お母さんに「良くなったように見えても油断しないように対応していきましょう」とアドバイスしながら励ましていきました。
今、ケイタ君はイライラする時はありますが、暴力はなくなりました。

家庭内暴力のカウンセリングポイント

家庭内暴力のカウンセリングポイント:カウンセリング(家庭内暴力)

①声かけ、話しの聞き方などの(技術)を身に付ける必要性
②親御さんの精神状態の安定が重要

→親御さんが子どもとの対応スキルだけを身に付けても家庭内暴力を解決するのは難しいでしょう。親御さんの心の状態が安定してこそ、カウンセリングでアドバイスされた対応が生きてくるのです。

臨床心理士・福田俊介

臨床心理士・福田俊介:カウンセリング(家庭内暴力)

ゲーム依存の子どもの家庭内暴力について

ゲーム依存の子どもの家庭内暴力について:カウンセリング(家庭内暴力)

近年、子どもの家庭内暴力の特徴のひとつとして、「ゲーム依存(ゲーム障害)」と「家庭内暴力」が深く結びついているケースが見られます。 次のような特徴があります。

  • 親が決めた時間しかゲームができないと暴れる
  • ゲームで負けると激しい癇癪、暴力・暴言
  • ゲームに夢中になり昼夜逆転した生活
  • ゲームで気に入らないことがあると、壁に穴をあける、家具を蹴る・投げる

・ゲーム依存についての記事はこちら

ゲーム依存症

精神科医師・福田俊一 Q&A

精神科医師・福田俊一 Q&A:カウンセリング(家庭内暴力)

淀屋橋心理療法センターの所長であり、精神科医の福田俊一のQ&Aコーナーよりお届けします。
家庭内暴力をするお子さんの対応や、暴力がエスカレートして警察を呼ぶことについて言及しています。一緒に見ていきましょう。

Q.(家庭内暴力)子どもが自分で勝手に家庭のルールを厳密に決め、それを守るように母親に要求してくる。ルールを破るとしつこく怒る。どうしたら良いか?

子どもが自分で勝手に家庭のルールを厳密に決め、それを守るように母親に要求してくる。ルールを破るとしつこく怒る。どうしたら良いか?:カウンセリング(家庭内暴力)

ルールを作るお子さんの特徴として、こだわり気質、潔癖症、完全癖の傾向があります。強迫神経症のような部分も持ち合わせていることが多々あります。このようなお子さんは、ものすごいエネルギーを持っていて、自分の理想や考えが崩れないように、常日頃からピリピリしていることが多いでしょう。なかなか周りの意見を聞き入れないことも特徴のひとつです。

こだわり気質のお子さん達は、その性格からご自身でも知らず知らずのうちに生きづらさを抱えています。
お子さんのこだわり気質は、恐らく生まれ持った性格ですから、変えることは難しいでしょう。しかし、その性格を乗りこなすようになれば、今まで気にしていた細かなルールや完全癖の部分が目立ちにくくなります。

実は、家庭内暴力のお子さんは、自分の意見を発表したい、自分をわかって欲しい、執着心が強いなどの特徴も持ち合わせています。

家庭内暴力を解決するポイントは、親子の会話(コミニュケーショ)です。興味のあることをお子さんがイキイキと話しだせるように、親子の会話を広げることが問題解決の糸口なのです。 カウンセリングでは、お子さんの性格を細かく分析し、お子さんが自分の性格を上手く乗りこなせるように成長するには親はどう対応すればよいか、アドバイスしています。

Q. 警察を呼んでもいいのでしょうか?

警察を呼んでもいいのでしょうか?:カウンセリング(家庭内暴力)

お子さんの家庭内暴力で、警察を呼んで対応された親御さんも多くいらっしゃると思います。命の危険を感じ、暴れて手が付けられなくどうしようもない場合、警察を呼んで第三者に冷静に対応してもらうことは、時として必要です。

しかし、警察が帰ってからのお子さんの態度はどうでしょうか?

  • 「よくも警察を呼んだな」と余計に暴れる
  • 警察が来たときはおとなしく対応するが、その場しのぎにしかすぎない
  • 心を閉ざし、口をきかなくなった

などのお声をよく耳にします。

淀屋橋心理療法センターの所長であり、精神科医の福田俊一は、家庭内暴力で警察を呼ぶ対応は緊急対策であり、暴力の根本的な解決にはならないと言っています。

:カウンセリング(家庭内暴力)

“家庭内暴力は、お子さんの性格を精密に分析し、その性格に合った対応を続けることで、親子のコミュニケーションが改善し、徐々に解決に至るものです。ですから、非常時の対応としての、上記の対応(カウンセリングによる家庭内暴力を解決した事例より)を台無しにしないように工夫する必要があります。

警察を呼ぶしかない場合でも、ご本人さんにあらかじめ「どうしようもない場合は警察を呼ぶからね」と伝えておくと良いでしょう。そうすることで、突然警察を呼ばれるよりも、ご本人さんのショックも少なくて済むからです。

また、親御さんやご兄弟が、暴力から逃げることが可能ならば、一時、避難するという方法もあります。しかし、これもお子さんを見捨てると捉えられないこともあります。

そうならない為にも、避難した後、電話で話しをする、メールをするなど、「あなたを見捨てたわけじゃないけど、怖いから少し距離を置くよ」と説明をしといた方が無難でしょう。

お子さんの家庭内暴力は親御さんもとても苦しい状況だと思います。何とかしのぎながら、良い関係作りを続けて行く必要があります。困難な場合は専門家に相談して下さい。”

精神科医 福田俊一

お子さんの暴力・暴言、様子に違和感を感じたら早めの相談を

:カウンセリング(家庭内暴力)

今回は、お子さんの家庭内暴力についてお伝えしました。
淀屋橋心理療法センターでも、家庭内暴力のご相談は年々増加している傾向にあります。

お子さんの家庭内暴力は、親御さんがご相談に来られる時にはとても深刻になっているケースも多くあります。

お子さんの暴力を止めることはもちろんのこと、その先にあるお子さんの成長、自主性や困難を自分で乗り越える力を育てることが、暴力を根底から解決するには必要です。

淀屋橋心理療法センターではオンラインカウンセリングでも、家庭内暴力のカウンセリングを進めることができます。親御さんが少しでもお子さんの様子に違和感を感じたり、お子さんの対応に悩まれた時にはぜひ早めにご相談していたたければと思います。

2024.09.14  著者:《大阪府豊中市 淀屋橋心理療法センター》上江洲りべか

               

記事内容の監修医師

淀屋橋心理療法センターの所長 福田 俊一

淀屋橋心理療法センター所長 福田 俊一

  • 医師。精神科医。淀屋橋心理療法センターの所長であり創業者。
  • 日本の実践的家族療法の草分け的存在。
  • 初めて家族療法専門機関を日本で設立し、実践、技法の開発、家族療法家の育成に貢献した。
  • その後は、摂食障害、不登校、ひきこもり、うつ、家庭内暴力(子から親へ)、リストカット等の家族療法の開発に尽力している。
  • 著書多数。

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