家庭内暴力・暴言をカウンセリングで克服するには

家庭内暴力・暴言をカウンセリングで克服するには

2024年9月3日、淀屋橋心理療法センターにて「お子さんの暴力・暴言に悩まれている親御さん向け治療説明会」が開催されました。グループワークでの自己紹介や、Q&Aコーナーでご質問頂いた事項の中から抜粋してご紹介します。

リアルな家庭内暴力の悩みの数々

参加者の皆さんが持ち寄られた家庭内暴力のお悩みをお伝えします。
読みやすくするため、発言の趣旨を損なわない程度に修正しています。

かかりつけ医から助言がない

「高校2年生ですが、成績不振で進級が危ういです。週に1回は靴ベラやホウキで親を殴ってきます。『殺すぞ』『死んでやる』などと言って脅します」
「かかりつけ医は私の話を聞いてねぎらってくれますが、アドバイスは特にありません」

夫のモラハラの悪影響?

「高校2年生の男の子が居ます。高校には登校したり、しなかったりを繰り返しており、登校しない日は自室でゲームばかりしています。直接の暴力はありませんが、ゲームを止めるように言うと『そんなん言われるのが嫌や、死ね!』などと言って怒ったり、家の壁を殴ったりします。」
「夫が私にモラハラをしていて、子どもも見聞きしているので、ある意味では子どもも被害者だと思います。」

昼夜逆転・容姿を酷く気にして悩む

「20代後半の長女。仕事はしておらず、昼夜逆転しており、不眠気味のようです。常に容姿や外見を気にして、酷く悩んでいます。親を殴ることはありませんが、部屋の壁を強く殴って怒りを表します」

ひきこもって物に当たる

「30歳の長男は自宅の壁や家具に物を投げて荒れる時があります。昨年、ようやく大学を卒業しましたが、就職はしませんでした。アルバイトも苦痛のようで、長続きしません。友達を作れないようで、いつも独りです。昼夜逆転しています。自室で勉強をしているようですが、親とコミュニケーションが取れません。」

家庭内暴力はカウンセリング解決可能です

淀屋橋心理療法センターでは、きれいに解決できるよう親御さんの道案内を続けていますし、成功例もたくさんあります。
今日の勉強会では、そのうちの一つの例をスライドで紹介させて頂きました。

ただし大事なことは、我々は家庭内暴力解決への道案内をしますが、親御さんにはしっかりと歩いていただかないと解決には到達しないことをご理解いただきたいと思います。

家庭内暴力治療説明会の感想

どれもなかなか深刻なケースですね。
説明会終了後、参加者の皆様から以下のような感想を頂戴しましたのでご紹介します。

  • 「このようなセミナーの参加は初めてでしたが、来て良かったです。前向きな気持ちになれました。ケース紹介が分かりやすく、我が家にも当てはまる部分が多いと思いました。参加者同士のディスカッションも、話しやすい雰囲気で、緊張が和らぎました。」
  • 「基本は雑談力なんだな、と考えさせられました。本日学んだことを丁寧に心がけて、家で実践してみたいと思います」
  • 「自分の課題をいくつか見つける事ができました。いかに日常の雑談が大切か、再認識しました。子どもの趣味に親も関心を持つことが大切だと思いました」

2024年9月3日、淀屋橋心理療法センターにて「お子さんの暴力・暴言に悩まれている親御さん向け治療説明会」が開催:カウンセリング(家庭内暴力)

スタッフ・公認心理士 益子より

本日の説明会は、家庭内暴力というテーマのためか、やや沈鬱な雰囲気がありましたが、真剣にメモを取られたり、繰り返し質問をされていた親御さんの姿が印象的でした。本日の治療説明会が家庭内暴力を解決する一助となれば幸いです。皆様には厳しい残暑の中ご参加頂き、誠にありがとうございました。

講演会・取材依頼の方はこちらまで

2024.10.29  著者:《大阪府豊中市 淀屋橋心理療法センター》公認心理師 益子玄一郎

               

記事内容の監修医師

淀屋橋心理療法センターの所長 福田 俊一

淀屋橋心理療法センター所長 福田 俊一

  • 医師。精神科医。淀屋橋心理療法センターの所長であり創業者。
  • 日本の実践的家族療法の草分け的存在。
  • 初めて家族療法専門機関を日本で設立し、実践、技法の開発、家族療法家の育成に貢献した。
  • その後は、摂食障害、不登校、ひきこもり、うつ、家庭内暴力(子から親へ)、リストカット等の家族療法の開発に尽力している。
  • 著書多数。

シリーズ記事

2024.10.29

1.家庭内暴力・暴言をカウンセリングで克服するには

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