2024年10月28日(月)
【リストカット・オーバードーズ】
親御さんのためのリストカット・オーバードーズ治療説明会を開催しました。
目次
なぜリストカットをするのか?どうしたら止められるのか?
カウンセラー福田俊介が参加者の親御さんへ質問してみました
なぜリストカットやオーバードーズをすると思いますか?
「生きづらさの逃げ場がない」
「SNSの影響」
「自傷行為がかっこいいと思っている」
「受験、人間関係のストレスから逃げるため」
「親の顔色を窺って生きてきたので、思うことをうまく表現できないため」
では、どうしたらリストカットやオーバードーズをやめられると思いますか?
「リストカットしてしまったことを責めないよう、きちんと対処してみましたが、
リストカットは止まりませんでした」
「子どもの心に寄り添うように接することが大切だと思いますが、
リストカットの傷跡を目の当たりにすると心が動揺してしまい、
うまく対応することができずにいます」
「いつ、オーバードーズするのか、リストカットするのかと毎日心配で不安で…
親としてどのような心持ちでいればいいのか、
どうすればやめてくれるのかわかりません」
治療説明会は、親御さんの悲痛なお気持ちと「なんとか子どもを救ってあげたい!」という強い願いで溢れていました。
どんなことがきっかけで、何に悩んで自傷行為に至ってしまうのかがわかっていても、その苦しみから救ってあげるにはどうしたらいいのか、お子さんにぴったりの救済方法は何なのか。それを見つけるのは、簡単なことではありません。
治療説明会に参加された親御さんだけでなく、リストカットやオーバードーズなどの自傷行為を止められない子どもさんをお持ちの親御さんの多くが、子どもさんにぴったり合った治療方法について悩んでおられることでしょう。
カウンセラーが教える!リストカット・オーバードーズの解決のポイントは、相談力?
淀屋橋心理療法センターでは、子どもさんの相談力(話す力)を育てることは自傷行為解決のためにとても有効だと考えています。
悩みやストレスを無限に溜め込み続けることができる人はいません。その人に合った解消方法で適切にケアする必要があります。悩みやストレスを誰かに話す・相談することは、その解消方法の1つであり、多くの方が自然と実践している心のケア方法ですよね。
けれど、自傷行為がやめられない子どもさんの多くは、悩みや不安、ストレス、やり場のない生きづらさなどを誰にも相談できずに溜め込み過ぎてしまいます。溜め込み過ぎてしまった気持ちは、1度溢れてしまうとコントロールを失い、自傷行為という形で放出されてしまいます。
悩みや不安、ストレス、やり場のない生きづらさを、上手に誰かに相談する(話す)ことができれば…
子どもさんは、自傷行為をしなくても心を軽くすることができるのではないでしょうか。
上手に相談できずにいる子どもと、相談されたい親
そうは言っても、悩みやストレスを相談できずにいたお子さんが、上手に相談できるようになるのは簡単なことではありません。
上手に相談できずにいる子どもと、なんでも相談されたい親。
昔からありがちな関係ですよね。
“ありがち”で止まってしまっていては、問題解決はできません。
“ありがち”の壁を超えて親子の絆をさらに深め、子どもさんが安心して本音を話せる家庭環境を築くことが、自傷行為解決のためには必要です。
親にも誰にも相談できなくて自分の中に溜め込んでしまう
溜め込みすぎてしまうから、それが溢れてしまった時に自傷行為をしてしまう
このような悪循環を断ち切るために、子どもさんが安心して本音を話せる家庭環境づくりを目指してみませんか?
本音を語れる環境があると、さまざまな好循環が生まれていきます。
子どもからの相談を求める前に大切なこと
本音を語れる家庭環境づくりで、まず大切にしてほしいのが“親子の雑談”です。
一見中身のない会話、意味のない会話のように思う方もいらっしゃるでしょう。 けれど、気兼ねなく好きなことを話せない(雑談できない)環境で、悩みや不安などの核心に触れた話ができるでしょうか。きっと難しいですよね。
一般的に、
雑談 = 誰にでも話しやすいこと
悩み・不安なこと = 限られた人にしか話さない、心に秘めていること ですよね。
ということは、雑談をおろそかにして、悩みや不安を聞くことは難しいと考えられませんか?
子どもさんとの雑談を毎日積み重ねていく中で、子どもさんが雑談で気持ちよく話している時間が少しずつ長くなり、話題の幅も広がっていく。そんな中で、親子間の信頼関係や安心感が高まり、子どもさんがずっと心に秘めていた悩みや不安を話せる環境が出来上がっていくのではないでしょうか。
話題の中心は親が話したいこと?子どもが話したいこと?主役はどちら?
会話をするには、2人以上の登場人物が必要ですよね。
例えば、登場人物はお母さんと子どもさん。
2人は休日、リビングで他愛ない雑談をしています。
この時、親御さんが話したい話題と子どもさんが話したい話題、どちらの話題を中心に話しをしたら、子どもさんはイキイキと話すでしょうか?
きっと、子どもさんが話したい話題を話している時ですよね?
淀屋橋心理療法センターでは、子どもさんがイキイキと話しができる環境でこそ、悩みや不安を相談できる親子関係を築くことができると考えています。
時には、親御さんが口を挟まなければいけない場面もあるでしょう。
けれども、他愛ない雑談の時は、子どもさんの話題中心に会話を進めてみませんか?
きっと、親子の関係が少しずつ変わってくるはずです。
リストカット・オーバードーズ改善に効果的な家庭環境づくりとは?
さて、リストカット・オーバードーズなどの自傷行為を解決するためには、子どもさんの相談力(話す力)と本音を語れる家庭環境づくりが大切ということをお話ししてきましたが、ここまでの内容を読まれて、「ウチは今でも十分にできている」と感じられた方もいらっしゃったのではないでしょうか。 「今でも十分にできている」と感じられた親御さん、親御さんの現在の対応方法で、子どもさんの自傷行為は解決に向かっていますか?もし、そうであるならば、きっと親御さんの対応は間違っていないでしょう。ぜひその対応を続けてください!
子どもさんの相談力(話す力)と本音を語れる家庭環境づくりというのは、言葉では簡単なことのように聞こえてしまいますが、高い治療効果が得られるレベルで実行しようとすると簡単なことではありません。 淀屋橋心理療法センターのカウンセリングでは、子どもさんの相談力(話す力)と本音を語れる家庭環境づくりを高い治療効果が得られるレベルにまで引き上げる方法を精神科医である福田俊一を中心に開発し、子どもさんの抱える問題をなんとか改善したいという強い思いをお持ちの親御さんと共に、たくさんの問題解決に臨んできました。
もし、この記事や当センターのHPの記事を読んで、「子どもに対応してみたが、子どもの問題解決にまでは至らなかった」もしくは「具体的に我が子にピッタリ合った治療方法がわからない」とお悩みの方は、お一人で(もしくはご家族だけで)解決しようとしないで、当センターのカウンセリングをご利用くださいね。
リストカット・オーバードーズの治療方法の見つけ方
治療方法は子どもさん一人ひとりで違います
書籍やインターネットなど、最近では、自傷行為と聞いてその言葉を知らない人がいないほど、情報は世の中に溢れています。運良く、その中から子どもさんに合った治療方法を見つけることができれば良いですが、実際はそううまくはいきませんよね?
見つかるまで、手当たり次第試してみるのも一つの方法です。
それでも難しかった時は、専門家の力に頼るのも効果的です。
淀屋橋心理療法センターでは、たくさんある治療方法の中から、子どもさん一人ひとりに合った治療方法を探すお手伝いをしています。定期的に開催している治療説明会では、子どもさん一人ひとりに合った治療方法まではお話しできる時間がありませんが、ご家庭の問題解決の大きなヒントとなれるように、日々バージョンアップしています。
治療説明会を終えて アンケートより親御さんの感想
「インターネットに書いてあったことを自分の子どもに実践してみようとしたけど、ピッタリとはいかなかった。
それは、うちの子どもにピッタリとあった対応ではなかったからだということに気づかせてもらえた」
「子どもにピッタリ合った対応は、
専門家と一緒に作り上げていくものだということに気がついた」
治療説明会後のアンケートより
親御さんのためのリストカット・オーバードーズ治療説明会のご案内
『親御さんのためのリストカット・オーバードーズ治療説明会』は、定期的に開催しています。
開催の日程などの詳しいお知らせは、HPや淀屋橋心理療法センター公式LINEでお知らせいたしますので、登録していただけると便利です。淀屋橋心理療法センター公式LINEでは、その他さまざまな講演会のお知らせや、HP最新記事のお知らせなども配信しております。
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【リストカットのご相談】治る・治らない場合の分かれ道
◆ 【リストカット】著書のご紹介 ◆
淀屋橋心理療法センターの所長であり、医師の福田俊一の著書をご紹介します。数多くの臨床経験から、摂食障害を克服するヒントをお伝えしています。治療説明会に来られる方からも「本を読みました」と、嬉しいご感想などもいただいています。
タイトル
克服できるリストカット症候群
概要
なぜリストカットをしてしまうのだろうか。自らを傷つけるというその異様なエネルギーは,いったいどこから湧いてくるのだろうか。そこに見え隠れするのは,頑張りすぎて疲れ切っているのに,また頑張ってしまうという生きづらさであり,それでも必死で生きている彼女たちの姿だ。家族療法の専門家がリストカットの謎に迫り,本人と家族の苦悩を丁寧にほぐし解決へと導く,4つのストーリー。