
お子さんのリストカット・オーバードーズに悩まれる親御さんへ。
2025年2月4日(火)、淀屋橋心理療法センターにて親御さん向け「リストカット・オーバードーズ治療説明会」を開催しました。
クリニックを受診したり、学校に相談したり…それでも思うような効果が得られず、悩んでいる親御さん方がご参加くださいました。
この記事をご覧の方も、同じようなお悩みを抱えていらっしゃいませんか。
我々は、そんなお子さんの問題に悩む親御さんのお力になりたく、定期的にセミナーを開催しております。
当センターでは、精神科医と臨床心理士のカウンセリングにより、多くのお子さんのリストカット・オーバードーズの問題を解決に導いてきました。
セミナーでは、治療成功事例のご紹介や、親御さんからのご質問にお答えしながら、“お子さんの問題を解決するポイント”をお伝えしております。
今回は、その一部内容をお届けします。
目次
子どものリストカット・オーバードーズに悩む親
ある日、我が子のリストカットを発見したら…
オーバードーズしていたことを我が子から打ち明けられたら…
衝撃と同時に、なぜもう少し早く気づいてあげられなかったんだろう…
我が子のことなのに、気持ちをわかってあげられないのが辛い…
と、悔しさや心苦しさを感じ、自責の念にかられてしまう親御さんは少なくないでしょう。
いつから? どうして?
何に追い詰められているの? 私に何ができる?
心の中では次々と、心配や不安、焦りが入り乱れます。
理由も意図も適切な対処法も分からないまま、子どもたちはその行為を繰り返し、親としては、心が全く落ち着かない日々が過ぎていくかもしれません。
本音を喋ってくれない子ども
大切な我が子が、自分で自分の身体を傷つけているのです。
きっとこれは子どもからの心のSOSだ!
悩みごとを聞いて、原因に対処しなければ!
なるべく早く、一刻も早く…!
その一心で、「何でも言ってごらん。」と子どもの声に耳を傾けてみます。
しかし、この段階で「◯◯ということがあって、△△が嫌で⬜︎⬜︎と思ったからやったんだ。」と自分の口からその経緯や気持ちを教えてくれるお子さんはかなり少ないと思います。
問いかけることでかえって溝が生まれることも
なかなか話してくれない我が子に、ますます焦って今度はさらに詰め寄る親御さんも。
「どうしてしてしまったの?」「学校で何かあった?」
それでも子どもたちの返答は「別に。」とか「何もないって。」などと、期待していたものとは違います。
それどころか、問いただすことによって、お子さんに煩わしく思われてしまい、かえって関係に溝が生じてしまったご経験をされた方も少なくないのではないでしょうか。
一度生まれた溝を、また元に戻すのは大変です。
それでは、どうしたら良かったのでしょうか。
自傷行為をするお子さんへの効果的な関わり方
なぜお子さんは、相談したり気持ちを教えたりしてくれなかったのでしょうか。
「相談してくれなかったのではなく、相談の仕方が分からなかったのかもしれません。」と臨床心理士・福田俊介は言います。
当センターは、お子さんの話す力を養うことが、自傷行為を解決するための糸口であると考え、親子の会話に着目し、多くのカウンセリングを成功させてきました。
リストカット・オーバードーズをする子どもの特徴
リストカットやオーバードーズをする子どもは、悩みや不安を感じても、周りに相談せずに自分の中にモヤモヤを溜め込む傾向があります。自分ひとりで頑張ってしまうのです。
目に見えない“生きづらさ”が心の中に蓄積され、その解決手段として自傷行為が現れます。この“生きづらさ”を上手に解消できるように、自分の気持ちを表現する手段として話す力を養うことがポイントです。
他者と気持ちを共有することで、安心感を得られたり、自分の状況を整理できたりして、段々とひとりで抱えこむことが少なくなります。そうすると、気分が沈んでしまってもリストカットやオーバードーズという手段を取らずに、自分の気持ちをコントロールできるように成長することができます。
お子さんに合った話し方を見つけましょう
お子さんの話す力を伸ばすことが、生きづらさの克服、さらには問題解決に繋がることをお伝えしたところで、具体的にどういう声かけや反応をすれば良いの?というご質問をいただきます。
実際に、「本で書いてあった方法を試してみたけど、上手くいっている感じがしない。」とお困りの親御さんもいらっしゃいます。対応の精度が低い可能性もありますが、もしかすると、その方法がお子さんには合っていないのかもしれません。
お子さんの得意な話し方は、一人ひとり違います。
残念ながら、誰にでも当てはまる万能な対応方法はありません。
当センターは、長年に渡り多くのお子さんと親御さんをサポートしてきましたが、お子さんの性格も、親御さんの性格も十人十色です。
当然、話すのに心地いいリズムも、トーンも、間も、一人ひとり異なります。
そのため、カウンセラーの親御さんへのアドバイスも一人ひとり異なります。
みんなそれぞれ違いますが、それぞれに必ず合った話し方があります。
まずはお子さんに合った話し方を見つけるところから。
勉強会ではもう少し具体的に、お子さんに合った対応を見つけるための工夫をお伝えしました。
お子さんが心地良く話せるパターンを見つけられたら、次は話す力をぐんぐんと伸ばしていきましょう。
すぐには効果を感じにくい方法ですが、徹底的に根気強く向き合っていると、少しずつお子さんに良い変化が現れてきます。
カウンセラーはあなたのガイドになります
これまで、お子さんの問題を解決するポイントをご紹介しましたが、実際に効果を感じるまで実行し続けるのは簡単なことではありません。
お子さんに向き合って解決を目指す道は、まるで真っ暗なトンネルの中を進むようです。
子どもの様子が良くなってゴールが近づいてきたかと思っても、また荒れてはその道のりの険しさを痛感します。
進んでも変わらない景色に、自分の努力と成果が見合っていないのではと不安になります。
先の見えない道…
どれくらい進んだのか、選んだ道は正しかったのか、次はどこを目指せば良いのか…
常に、不安と心細さでいっぱいの歩みです。
そんなときは、カウンセラーの出番です。
私たちが暗闇を照らし、進むべき道をご案内するガイドになります。
険しい道も幾度となく成功へ導いてきました。あなたの歩みも、経験豊富なカウンセラーが付き添い、ご案内します。
お子さん一人ひとりに適した具体的なアドバイス
お子さんに合った対応というのは、すでにお伝えしたように一人ひとり異なります。
実際のカウンセリングでは、今お困りの内容をじっくりとお聞きし、カウンセラーからも親御さんにお子さんの性格や家での様子、学校・職場内での人間関係などを質問させていただきます。全容をつかみながら、お子さんそれぞれの持ち味が伸ばせるように、それぞれに適した対応をアドバイスいたします。
カウンセラーと話すことで親御さんの頭が整理され、精神状態が安定します
カウンセリングでは毎回、親御さんにお子さんの変化を尋ねます。
親御さんは初め「何も変わってないです。このままで良いのでしょうか?」と不安な表情を浮かべます。
しかし、カウンセラーとしばらく話しているうちに頭が整理されていくのでしょう。
カウンセリング終盤では「あ!そう言えば!こんなことがありました。」とお子さんの良い変化を教えてくださいます。
話すことで頭が整理され、見落としがちなお子さんの小さな変化に気づきやすくなります。我が子の成長をキャッチできるようになると、親御さんの精神状態も維持しやすくなります。そして親御さんの精神状態が安定していると、お子さんへの対応の精度も上がり、さらに良い変化が見られ、良いサイクルが生まれます。
治療説明会を終えた親御さんの声
最後に、治療説明会を終えた親御さんの声をいくつかご紹介させていただきます。
リストカットをする娘は、よく推しや空想の話をしてくれます。私が知りたいことは、今日学校で何があったか、友だちと何をしたかですから、娘の話はある程度聞き流して「で、学校で何したの?お友だちとはどう?」と遮るように聞いてしまっていました。
今日お話を聞いて、本人が話したいことをしっかりと聞いてあげることが、彼女が回復していくスタートになるのだと思えました。
娘がリストカットをしてしまうようになったのは、親である私の育て方が悪かったのかもしれない、という思いもありつつ、参加しました。
でも、自分を責めてばかりでは仕方ないので、ちゃんと娘の話を聞くとか、前を向いた行動をしたいと思います。
やっちゃってるなと思うことが多かったです。
しばらくは揉めないようにと、穏便にしていられるのですが、それで娘の調子が良くなってくると、こうであってほしいという自分の願望を口に出してしまっていました。するとまた娘の調子が悪くなっていって、そうなるとまた私もしんどくなりました。
娘の気分の波に一喜一憂せずに継続的に支えていくことが大事ですね。
このたびは、厳しい寒さの中にも拘らず、当センターのセミナーにご参加いただき貴重なご意見をありがとうございました。
また、この記事を最後までお読みいただき、ありがとうございます。
この治療説明会が、親御さんにとって、そしてお子さん本人にとって、良いきっかけとなりましたら幸いです。