摂食障害とは食行動の重篤な障害を呈する精神疾患の一種である。
近年では嚥下障害の機能的な摂食障害との区別をつけるため、中枢性摂食異常症とも呼ばれる。
厚生労働省の難治性疾患(難病)に指定されている。
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摂食障害ってどんなもの?
摂食障害について 過食症 拒食症 男性の摂食障害お伝えしたいこと
ご本人さんへ 親御さんへ淀屋橋心理療法センターについて
所長 福田俊一のプロフィール 治療実績摂食障害の気になること
正論を通すことは難しい 親のせいではありません 万引き 親に食べさせるよくある質問 誰でもなるの?私もなる病気なの?
淀屋橋心理療法センターは、
投薬治療を行なわない
摂食障害(過食症・拒食症)の
専門家のいる
カウンセリング治療機関です
精神科医師が
薬に頼らずきっちり治す
摂食障害(過食症・拒食症)
のカウンセリング治療を
行って40年
所長/福田俊一(ふくだしゅんいち)
1975年 大阪大学医学部卒。
大阪大学精神神経科、大阪府立病院神経科にて精神医療に取り組む
1981年 米国 ペンシルベニア大学に留学、フィラデルフィア・チャイルド・ガイダンス・クリニック(PCGC)にて家族療法を学ぶ。
家族療法の第一人者S.ミニューチンに師事
1982年 住友病院心療内科、大阪厚生年金病院神経科、大阪市立小児保健センター精神科に勤務
1983年 淀屋橋心理療法センターを開設、所長に就任、現在に至る
1984~1986年 厚生省・神経性食思不振症調査研究班メンバー
【所長 福田俊一の著書の紹介】
摂食障害(過食症・拒食症)の
豊富な治療実績をもつ
淀屋橋心理療法センター
問い合わせ相談をお受けしたり、カウンセリング治療を行った総件数…
約40年間で3603症例(2020.6.30まで)
淀屋橋心理療法センターでは、カウンセリング治療のほかにも、
「摂食障害を乗り越えるための親御さん向け勉強会」を定期的に開催しております。
所長 福田俊一(精神科医)
からのメッセージ
【摂食障害と家族療法】
みなさん、摂食障害とはどのようなものだとお考えでしょうか。 過食症は食べても食べても食欲が止まらない病気? 拒食症は食べることが出来なくなってしまう病気?
しかしそれらは目に見えているほんの一部分だけの状態です。 裏に隠れているのは「太ることを最も恐れ、痩せることが第一 という考えに囚われてしまうこと」や、 「“痩せていることが幸せになるための唯一の道”だという思想が 最重要の心の柱となり、自分を追い詰めていること」など、摂食障害に苦しんでいるご本人ですら自分の心理を解き明かすことができないような、複雑に絡み合った気持ちの状態です。 そして、単に目に見える表面的な問題を解決するだけではなく、「体重を増やすことを拒否する気持ち」をケアできなければ根本的な治癒は不可能だと私は考えております。 当センターでは、太らないこと・痩せていることでしか自分の価値を感じられなくなっている患者さんのこころのケアを最優先に、family therapy(家族療法)という治療法を進化させ、治療の充実や治療の成果の分析から、より短期間でより確実に治る方法を開発し続けています。
【摂食障害というピンチをチャンスに】
摂食障害の克服には生きる自信を大いに高めてもらう必要があるのですが、これは個人療法ではなかなか難しいと我々は考えています。(長年の経験と実績による我々の見解です) ご本人さんの特性を詳しく分析し、その特性に合った接し方…「摂食障害(過食症・拒食症)における初期対応のコツ」「こじれさせないためのコツ」などを親御さんに理解・実践して頂くことにより、 親子の力が大きくプラスに働き始めます。 しかし、その力を引き出すには、淀屋橋心理療法センター独自のノウハウや、 専門家の援助が重要になってくるでしょう。
「摂食障害(過食症・拒食症)は治らない」と諦めているご本人さん、「わが子の摂食障害(過食症・拒食症)にどう対応したらいいかわからない」と悩む親御さん、一度淀屋橋心理療法センターにご相談ください。 長年の経験と治療実績を持つカウンセリング一筋の医師が治療に携わっております。 一歩前へ踏み出し、摂食障害(過食症・拒食症)からの脱出を成功させましょう。 ピンチはチャンスと言いますが、それは摂食障害(過食症・拒食症)も同じです。 摂食障害(過食症・拒食症)をきっかけに、自分の生き方と向き合い、自分の自信のあり方と向き合い、家族とのあり方と向き合う…。 輝いた自分を見つけ出し、イキイキと生きてもらいたいと心から思っています。
摂食障害(過食症・拒食症)
について
摂食障害(過食症・拒食症)の治療は「薬だけでは解決しない」という認識が、 専門家の間でもますます高まっています。
過食症の場合「食欲を抑えることができた」、拒食症の場合「食べられるようになった」など、 一時的に解決したように見えても、心の面では解決に至らず、結果症状を何度も繰り返してしまうことが多いのです。 「専門機関での治療を勧めます」ということで、心療内科から、摂食障害(過食症・拒食症)の カウンセリング治療に関して実績のある淀屋橋心理療法センターへの紹介がとても多くなってきました。 「どうしても太りたくない」「やせたい」という本人の気持ちに、家族や本人も振り回されて 大混乱になります。 その中で心理の裏にある「成長したい」「自分らしさを掴みたい」「脱皮したい」という気持ちを 引き出し伸ばしていく事が、パニックを抑え、根本解決に至る道です。
1, とりあえず今の混乱を避けるための応急的な対処
2, 根本的に解決する為にどのように舵を切っていけばよいか
当センターは1,2についてたくさんの経験を積み重ね、様々なノウハウを蓄積し、摂食障害の最前線にいると自負しています。
摂食障害は確実に治る道があると言えるでしょう。我々は家族療法を発展させたカウンセリング診療を通してそれを実践してきました。
摂食障害のお子さんに
正論を通すことは難しい
拒食症のお子さんに「しっかり食べないと体が持たないよ」
「このままだと学校に行けなくなるよ」と正論を言ってみたり、
過食症のお子さんに「過食するたびに、そんなふうに落ち込んでいたら人生棒に振っちゃうよ」と言ってみたり・・・
全てが正論ですが、摂食障害のお子さんは、特に正論が通じません。
何かに熱狂して言える人に「やめなさい」と止めることがいかに難しいかと言うのと同じです。
彼女(彼)達には、そこから抜けられない事情があるのです。
【過食症】について
【過食症のつらさってどんな事?】
【食べる・食べないで頭がいっぱい】
【吐く辛さ】
【自分だけ取り残された気がする】
【やる気が出ず、予定通りに行動できない】
【家族の関係がギクシャク】
【孤独】
【過食嘔吐について】
過食をする人達は、家にある物を食べていればあまり費用もかかりませんが、菓子パンを買う人がとても多いのが不思議です。また、チョコレートやアイスクリームを買う人もいます。 パンを買うのは「吐きやすい」という事が理由のひとつで、吐く時には多くの人が水を大量に一緒に飲んで吐いています。 我々は、吐く事そのものが病気だとは思っていません。病気であるのは「太るのが恐怖」という気持ちだけです。 普段食欲を押さえつけている為に、猛烈に食べたくなるようです。 食べてそのままでは太ってしまうのが許せず、全部吐いてしまわないと気が済みません。 徹底的に吐く為に、涙を流しながらでも吐き続ける人が多いです。
【兄弟姉妹のものを食べてしまう】
「弟の朝食のパンを勝手に食べてしまう姉」 しばしば過食症の人にはこのような現象が見られます。 弟の為にせっかく用意しておいたパンを、お姉ちゃんが食べてしまうのです。 このようなことで、兄弟姉妹や親子の関係をギクシャクさせてしまう事があります。
【家族と口をきかない】
…親に八つ当たりをしてしまう…
過食症の症状が長年続いている人の中には、家族との関係がこじれたり、 親と口をきかなくなっている人もいます。 お互いどう接すればよいか分からないまま、ズルズル来ているのが原因という事が多くあります。
とにかく過食症は絶望したり腹が立っていたり、訳も分からずイライラすることが多い病気であり、
「こんなに苦しんでいるのに何もしてくれない」
「どれだけ助けを求めても何の役にも立たない」など、
食べることのコントロールがうまくいかないことの怒りを親にぶつけている部分がかなりあります。
つまり、もともとの親子関係が原因の場合もないとはいえませんが、多くの場合、 過食によるイライラが、原因の中心にあるのです。 「八つ当たり」をしたくないのにしてしまうのは、ご本人にとっても辛い事だと思います。
…子どもは繊細さん、親も繊細さん?……
また、ご本人さんが口をきかない場合、ご家族の方はずいぶん気を遣っておられるでしょう。 摂食障害を患っている方は「神経が繊細な方」や「気遣いをし過ぎる」が多数ですが、 そのご家族もまた「気遣い家族」の場合が多いです。 お子さんを、まるでガラス細工のようにそっとそっと扱っている親御さんもいます。
ただ、いくら周りが気遣いをしたからといってうまくいくものでもありません。
ご家族のメンバーにも、それぞれ異なった性格や個性があります。
「家族療法」の視点から考える解決方法では、ご本人さんと親御さんとの相性をチェックし、
それぞれの親子に合った対応策を考え勝負することで、道が開けることがよくあるのです。
また、中には治療を行っている医師やカウンセラーが、悩んでいる患者さんに対し、親への不満を煽りすぎるケース、更には解決を曖昧にし、ほったらかしにしているケースもあります。 ご本人さんがカウンセラーに、不満を吐き出すことは大事だとは思いますが、問題を収拾できなければ意味がありません。
【過食症と入院治療】
しばらくの間 過食・嘔吐が治まり落ちく場合がよくあります。 しかし、病院を退院後もそれを維持できるかというとなかなか難しく、退院してしばらくすると、 また過食が戻ってしまう場合がよくあります。 それは、過食症という病が、薬物治療だけで完治できるような単純なものではなく、心の問題だからです。 そして、一時的に家族やまわりの人達から離れて調子を取り戻したとしても、また日常生活に戻った時にふたたびこころにストレスを溜め、過食を再開してしまうことがよくあります。 過食症は、日常的な環境や人との関わり合いの中で生まれるものだからです。 入院治療は、「生活の立て直し」という意味での利用価値は大いにあると思いますが、 根本的解決にはならない場合が多いのです。 過食症の場合、「ご本人さんに揺るぎない自信を付け、内に秘めているイキイキとした生き方ができるようになるための小さな芽をぐんぐん伸ばす」 という強い信念を持ったカウンセリング治療が必要です。
【拒食症】について
【拒食症が治るってどういう事?】
「体重が増え、身体的な命の危険がなくなること」=「拒食症が治ること」 とは言えません。
拒食症の人が無理に食べようとすれば、一時的にマシになったとしても、根本的な解決にはなりません。 体の調子が良くなってきたとしても、いつも心の中の90パーセントは「食べるべきか」「でも食べたくない」の葛藤でしょう。 いつの日にか「食べることが空気のように当たり前になってしまう」にならなければ、「治った」とは言えないのです。
・食べる・食べないのこだわりが、優先順位の一位ではなくなった時。 ・理想の体重や体形を追い求めることが人生のほぼ全てだという考えが消えた時。 ・痩せる事以外のこころの支えができ、ありのままの自分を受け入れるようになった時。
・・・それが拒食症の治癒だと言えるでしょう。
※しかしそれには、ご本人さんの自信が大いに高まる必要があります。
そのためには、熟練した専門家の助けが必要となります。
【拒食症と入院治療】
拒食症の方は体重がどんどん減ってくると、病院での入院治療も考えなければなりません。 淀屋橋心理療法センターが勧めているのは、内科医に体重のリミット(それ以上体重が減ると命の危険がある)を設定していただき「それ以下になったら入院」という約束をクライアントとしてもらう事です。 拒食症の方々は、「体重を増やしたくない」という強い思いがあるため入院を望まない人が多いです。 そのため、どうにかして入院を避けようと最低限の体重は維持できるよう努めてくれる人が多いので、その間に心理的治療を進め、拒食症からの脱出をはかります。
摂食障害(過食症・拒食症)は
誰でもなるの?
私もなる病気なの?
あなたはどちらかと言うと、場の空気を読めて、人と的確につながることが できる方ですか? 自分のこころよりも相手のこころを 大事にすることを続けている場合が多いですか?
あなたが大人になった時、こころのどこかで 「これってしんどいな」「きゅうくつだな」 と思っているような場合、 摂食障害になる可能性があります。
過食症や拒食症に限らず、 こういう方々はストレスが溜まった時に、誰にも相談できず体の不調に出やすいのです。 体の不調とは、「お腹を壊しやすい」「じんましんが出る」等があります。
子どもが
摂食障害(過食症・拒食症)に
なったのは
母親(父親)のせい
ではありません
【親のせいだ、と恨まれてしまう】
我々は家族療法の専門家ですので、家族の難しさはよくわかっています。 「辛かったときに助けてくれなかった。味方になってくれなかった」 「親に従って、進学先や就職先を決めたのに失敗した」 …など、子どもが親に対してわだかまりを抱えていたり、親がその気持ちをうまく汲み取ってあげられなかった場合など、親子関係は徐々にもつれていき、後に戻れなくなってしまうことがあります。
他人から「子どもが摂食障害になったのは母親(父親)に原因がある」と言われたり、 お子さんからも「お母さん(お父さん)のせいで自分はこうなったんだ」と恨まれている場合があるのではないでしょうか。
【親に対する不満は子どもの成長の一部】
成長の過程(例えば思春期など)の中で、お子さんが悩み葛藤し、色々な事に目覚めていく時、 「まずは母親に対して不満を募らせること」が自我の発達の第一歩になることはよくあります。 お子さんが大人の視点で物事を見るようになった時、今までの(自分の親に対する)子育ての仕方を非難したくなるのは、健全な親子関係の一面と言えます。
つまり、お子さんは何かにつまずいた時に「母親(父親)のせいだ、母親(父親)が悪い」と、親を責め、自分の気持ちを吐き出せるきっかけになることはよくあることですが、 その内容が摂食障害の直接の原因であるとは限らないのです。
【大事なのは親と子の相性】
また、摂食障害になった原因は母親(父親)のせいかどうか?について言えば それは複数の原因の中の一つである可能性はあるでしょう。 しかし、それはさほど大きな問題ではなく、治療の観点から見て大事なのは親と子の相性です。 親の行動が良いか悪いかというよりは、親とお子さんの相性が合っているか合っていないかです。 当センターは治療を進めていく中で、親と子の相性をグンと良くし、摂食障害の治療においてプラスに働くパワーを引き出す事を得意としています。
ですから・・・
「親に食べさせる」ということ
摂食障害(過食症・拒食症)の患者さんの中には、 親に(あるいは兄弟に)無理に食べさせるという人もいます。 最初は 「お母さんが食べてくれたら、自分も安心して食べられる」 というようなきっかけで始まりますが、 徐々にエスカレートしやすいものです。
本人に泣きつかれるままに食べ続け、 20キロも太ってしまったというお母様もおられます。 苦しくてもう食べられないのだけれど、食べないと本人が泣き叫ぶので、「まるで地獄のようだ」と言うお母様もいらっしゃいました。
摂食障害と万引き
過食症・拒食症の患者さんの中には、時々万引きをしてしまう人がいます。 理由は様々ですが、当センターでは主に二つのパターンがあると考えております。
一つは、食べものを身の回りに置かないと不安で仕方がないという気持ちから、万引きをしてでも溜め込んでしまうパターン。
もう一つは、自分でも訳がわからないうちに万引きをしてしまうというパターンです。
後者の場合、万引きをしている時の事を思い出させようとしても、ほとんど思い出せる人はいません。 また、捕まらないようにしようという意識が非常に乏しいか、あるいはほとんどないのが特徴です。 このような心理の原因は、おそらく食欲を異常なまでに禁じている日常の中で、突然強烈なまでの食欲の嵐が現れ、どうしようもなくなって「食べ物を手に入れたい」という気持ちを行動に移してしまうのではないかと考えます。
万引きの心理だけを解決することはとても難しく、摂食障害の治療に集中して頂くことで 万引きの解決にもつながっていきます。
男性の摂食障害
摂食障害といえば、以前は「女性がなる」というイメージが強いと思います。 しかし、少数ですが男性の方の摂食障害もあります。(割合的には女性9:男性1くらいと言われています) しかし、摂食障害になるきっかけや症状などは、女性と男性では少し異なります。 女性の場合、「やせたい」という願望から摂食障害が始まるケースが多いですが、男性の場合、 「体重制限のあるスポーツをやっている」「筋肉質でたくましい体が欲しい」などの理由から、 ストイックな運動や食事制限を繰り返し、摂食障害になってしまうことも多いようです。
また、男性の摂食障害が、女性に比べて多くない理由について、 「自分は摂食障害だ」ということに気づきにくく、医療機関への受診率が低いと説明する専門家もいます。
摂食障害に関する、
よくあるご質問
1.Q 子どもが一人暮らしをしているのですが、それでも家族療法は有効なのでしょうか?
A 淀屋橋心理療法センターの家族療法は有効です。 直接親が会うことができなくても、電話でのコミュニケーションが取れているようなら効果を発揮する ことができます。
電話での会話(主に親が子に対してどう対応するか、どのような聞き方をするか)を一生懸命工夫 するなかで、摂食障害の症状が大きく改善するということはとてもよく起こります。 摂食障害の人は、不機嫌でイライラしてしまう事も少なくありません。そのような場合は特に、 電話でコミュニケーションを取るほうが親子の良い距離が保てて治療を進めやすい場合もあります。
親御さんが関西、お子さんが関東など、別々に住んでおられる親子が、電話でコミュニケーションを取るだけで治ったというケースは多くあります。 また過去には、ヨーロッパ留学中のお子さんと、日本に住んでいるお母さんが国際電話で コミュニケーションを取り上手くいったケースもあります。
特にお子さんが最近一人暮らしを始めた、あるいは最近になって留学をした、社会人になった など、新しい出来事を経験している場合は、ご本人さんに喋りたいネタや聞いてほしいことが多くなるのでかえってチャンスなのです。
2. Q 現在、他の精神科、あるいは心療内科に通っているのですが、 並行して淀屋橋心理療法センターに通っても大丈夫でしょうか?
A もし現在通われている精神科や心療内科で、ご本人さんにだけアドバイスをしているところであればうまくいく場合があります。こちらは基本的に親御さんにアドバイスをするところだからです。 (ただし、現在通われている病院の医師の了承があることが望ましいです)
実際に拒食症のお子さんが入院中で、親御さんだけが当センターに相談に来られるということは非常に多くあります。 ただ、もし現在行かれている精神科や心療内科が親御さんにもたくさんアドバイスをしてくるというところであれば、当センターあるいはもう一方どちらかに絞っていただく必要があります。
3. Q 拒食症で体重が戻ってきた場合、過食症になるのでしょうか?
A 心のケアが十分にできていて、ご本人さんをしっかりと成長させることができていれば、 拒食症で体重が戻ってくる時に、過食になる可能性は心配しなくても大丈夫です。 ただし、もちろんこれは、心のケアと心の成長がしっかりできていた場合です。 それができていることにより、過食の心配をする必要が無くなることは勿論、その他いろいろな困難を自力で乗り越えていけるようになります。 しかしできていない場合は、過食になるリスクもあります。
4. Q 症状が重症化していても、本人は診てもらえないのでしょうか?
A (例えば拒食症で体重がとても低く入院している、あるいは過食症で過食嘔吐を繰り返し死にたいと何度も口に出しているなど…) 心のケアに関して言えば、これはむしろ重症だからこそ、最初のうちはご本人さんに会わないまま 治療を進めます。 そのほうが治療が行き詰まる可能性が少ないのです。 治療が乗ってきた段階でご本人さんにお会いする場合もありますし、会わないまま治ってしまう場合もあります。
摂食障害(過食症・拒食症)に
悩まれているご本人さんへ
【どうして親と一緒に治療しないといけないの?】
カウンセリング予約の際、お電話口で 「親と一緒じゃないとダメなんですか?」 「私一人で治したい」 というご本人さんの声をよく聞きます。 自分の病気は自分で治したい、誰にも迷惑をかけたくない、 という摂食障害の方々のお気持ちはよくわかります。 以前は、ご本人さんのみのご相談もお受けしていたの ですが、現在は、ご家族と一緒に、 もしくはご家族の方のみでのカウンセリングを行うことが 当センターの重要な治療方針となっております。 この治療方針で進めることにより、摂食障害への治療効果が格段に上がることがわかっているからです。
【当日になって、「気分が乗らない」なんてことはありませんか?】
摂食障害の方々は気分の波が激しいことが多いため、カウンセリングの当日になって 「気分が優れない」「カウンセリングに行くのがしんどい」という事がよく起こります。 カウンセリングに通う事自体が負担になってしまう… せっかく上手くいきかけていても、治療を途中中断するという事になってしまう… このような事が起こると、効果を上げていくのが難しくなってしまいます。
そこで、摂食障害のカウンセリング治療は、親御さん(特にお母さん)と一緒に進めていきます。 なぜなら、そのほうが継続して来所していただける可能性が高まるからです。 また、たまに会うカウンセラーが直接ご本人さんにアドバイスするよりも、いつも一緒に居る(あるいは離れて暮らしていても電話などができる)ご家族に、ご本人さんに対する日々の接し方の工夫をアドバイスすることで、より効率的に治療の効果を発揮できるからです。
【もう大人なのに親に協力してもらうなんて…】
〜親と一緒に変わっていく〜
もし親子間に多少の困難があった場合でも、親と子のチームワークを作り上げ治療をしていくほうが、成功率が高く、治りやすいです。(当センターの経験です) 当センターはどうしたら親子が良いチームワークを作っていけるか、親子の相性の良し悪しを診断し、適切なアドバイスをすることを得意としています。 「親と相性が合う、合わない」 「親の事が好き、苦手」 「もう大人なのに親に協力してもらうなんて…」 このように人それぞれ思いは異なるとは思います。 しかし、親子の関係に良い変化を起こすことは今からでも遅くはありません。
「親に頼る」のではなく、「親と一緒に変わっていく」のです。 親御さんと一緒に、話し合うことや、自己表現の練習をしてみませんか? そうすると親子のコミュニケーションもスムーズになり、相互理解もできるようになります。 親御さんはあなたの性格や考えを深く理解できるようになり、あなたは自分の意見を 言いやすいなと感じられるようになってくるのです。
〜親の支配下で不自由に生きる?〜
一方で、親とのコミュニケーションを積極的にとるという状況は、 ご自身の成長と逆行していると思われるかもしれません。 「子どもが親のコピーになる」「親の支配下で不自由に生きる」 ・・・そんな心配を感じることがありませんか。 しかし、当センターの家族療法による親子のコミュニケーションとは、 そのようなものではありません。 お互いを1人の人間として尊重できるようになることと同時に、 摂食障害の克服へと導きだすのです。 これこそ、あなたの最良の自立の道であると、当センターでは考えています。
ご自身が困ってどうしようもないということを、勇気を出して親御さんに話してみて下さい。 それが、摂食障害を克服する第一歩になります。
【それでも親に話すことが困難なあなたへ】
しかし勇気を出して親御さんに話してみても、うまくいかない、裏目に出るというケースがあるのも事実です。長い間ほとんど口をきいていない。顔を合わせても喧嘩ばかり。話していても嫌味ばかり言われて嫌になる…など、親子関係が複雑にこじれているかたもいらっしゃることでしょう。
その場合、すべての人に当てはまる訳ではありませんが、お母さん(あるいはお父さん)も意固地になっていて、あなたとうまくコミュニケーションが取れなくなっている可能性も考えられます。 実際「娘と子どもの頃のように仲良くしたいのに、思春期になってきて娘が何を考えているのかわからない」 「どうせ私は娘に嫌われている」 と悩まれる親御さんも多くみられます。
当センターでは、このように親子関係がうまくいっていない場合でも、一度親御さんがカウンセリングに来ていただくことにより、複雑にもつれた親子関係のこころの糸の解き方についてアドバイスすることができます。 摂食障害を克服する第一歩として、親子関係の見直しから始めるアプローチの仕方も、時には必要となります。
摂食障害のお子さんを
持つ親御さんへ
【本人抜きのカウンセリング】
当センターの治療方法は、他ではなかなか 見る事のない独特なものです。 色々な試行錯誤のうえで現在の形 「本人抜きでカウンセリングを行う家族療法」に至って います。
「摂食障害は本人の問題だから、 本人の相談に乗ってやってほしい」 という親御さんの気持ちはとても自然なことでしょう。 しかし当センターの経験上、その方法では あまり成功率が良くないのです。 一時的には回復したように思えても、何かをきっかけにまた繰り返してしまうことも多く、 「この先もこの子は強く生きていける、安心だ」となることが難しい場合が多いです。
最後に
【克服には親御さんの協力が不可欠】
親御さんが、お子さんに対してどう対応すれば、また、どういう関係を作り上げることができれば、 お子さんの自信につながるのか、前向きな気持ちにつながるのかを考えていただいたほうが摂食障害からの脱出のための良いスタートを切れます。
それでは、親ばかりが行動して、お子さんは何も行動しないのか?というと、そうではありません。 親御さんとの間に、今までにない歯車の組み合わせを経験することで、 自分の「イキイキパターン」に気づく事ができます。 そうすると、自分で考え、自分で工夫し、自分で整理し、自分で立ち直る、 …このような力が溢れてくるのです。 つまり親御さんは、お子さんが活躍しやすい環境づくりに協力してあげることが大切なのです。それが摂食障害の克服につながる近道となります。
親御さんが、お子さんの力を引き出しやすい環境づくりに成功すれば、 お子さんは自分で解決できるようになり、そこで大きな自信を掴むのです。 その姿は、とてもイキイキしたものになります。 ただし、皆が全部良い方向に向かうわけではありません。 諦めずに努力し、親と子の関わり方のコツを掴んだ方だけが、成功への扉を開けることができるのです。 当センターでは、その努力の方向性や、努力の仕方を根気強く熱心にアドバイスしていきます。