対人恐怖症(対人緊張)は、思春期から入社したての若い男女に多いケースです。「自分が座をしらけさせているのではないか」「人がジロジロ見るのは、自分が変な行動をしているからではないか」「顔が赤くなっているのを人にさとられるのではないか」・・・など気になって仕方ありません。
「自分はどんな雰囲気を相手にだしているんだろうか?」と心配になったり、「あの人私をじろじろ見ているな」と他人の視線がつきささるように感じたりして体が固くなってしまったりします。その場での緊張感、人と交わりたいのに交われない孤独感などで大変つらい思いをしています。気になるあまり街を歩いたり電車に乗ったりすることもしんどくなり、家のなかに引きこもってしまうケースがよくあります。
身近な人に話しても「考えすぎじゃない」とか「甘えてるだけだ」と言われ、よけいに追い詰められることもしばしばです。それだけに本人は心のなかで毎日とてもつらい思いをしています。対人恐怖症(対人緊張)の人は「この症状を経験した人でないと、つらさはわかってもらえない」と思っていることが多く自分から話すことはあまりありません。心の中で「頑張らなくてはダメだ」とよけい自分を追い詰めてしまっていたりします。それだけに本症の専門家であるカウンセラーには、一度打ち解けるとびっくりするくらい自分の症状について話せるのも特徴の一つです。「やっと人に話せました。つらさをわかってもらえてホッとしました」と、カウンセリング室を笑顔で後にするのがとても印象的です。