【小学生の不登校】担任の先生の「これる時にきたらいいよー」という配慮が報われない時
担任の先生の中には、毎日お忙しいにも関わらず、不登校の子がいつでも来れるようにとの配慮から「いつ来てもいいからねー」と、子どもを思いやった言葉をかけてくださる方がおられます。もちろん、そのお陰でちょっとずつ学校に行き始めることができれば担任の先生の苦労も報われるでしょう。しかし、不登校の子の中には、この「有り難い配慮」が報われないことが時々あるのです。
それは、「いつ行ってもいいと言ってくれている」=「いつ行ってもいいんだから今日じゃなくてもいい」となってしまうことがあるのです。毎日が「今日はなー・・やっぱり明日にしよー」と、「先送り」を繰り返してしまう子が意外といるのです。
この傾向は中学生や高校生の子にも見られますが、何も不登校の子に限ったことではないのです。たとえば「スポーツジム・フィットネスジム」。一ヶ月の会費を払えば何回行ってもOK。行けば行くほど割安になるわけです。しかし、ジムに行くことが楽しみな方や行動力のある方なら良いのですが、「ダイエットしなくっちゃ」「運動不足をなんとか・・」など、「気のり」せずに半ば「義務感」で入会した人ならばどうでしょう。「今日は時間はあるけど仕事で疲れたなー、まあ明日でもいいか・・」。
もちろん、大好きなU.S.J.(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)の「年間フリーパス」なら話は別です。
不登校の子の放課後登校や義務感で始めたスポーツジムなど「気のりしないこと・面倒くさいこと」については、この「いつでもOK」という配慮が不向きな場合があるのです。
こんな場合、たとえば「明日の五時しか空いてないんだけど来れるかな?」「金曜日にどうしても渡したいプリントがあるんだ」と、明確に期日や時間を絞ってあげた方が動きやすい(登校しやすい)こともあります。
2015.05.19 著者:《大阪府豊中市 淀屋橋心理療法センター》福田俊一
記事内容の監修医師
淀屋橋心理療法センター所長 福田 俊一
- 医師。精神科医。淀屋橋心理療法センターの所長であり創業者。
- 日本の実践的家族療法の草分け的存在。
- 初めて家族療法専門機関を日本で設立し、実践、技法の開発、家族療法家の育成に貢献した。
- その後は、摂食障害、不登校、ひきこもり、うつ、家庭内暴力(子から親へ)、リストカット等の家族療法の開発に尽力している。
- 著書多数。
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