【不登校】「前の担任からきいていますよー」の一言で
4月の新学期はクラス替えの時期。クラスメートは元より、担任の先生も替わるのが一般的な上、始業式までは「クラスメートは誰が一緒か・新担任は誰か」というのも教えてもらえません。
不登校の本人は「クラスメート」も「新担任」も両方が気になるところでしょう。一方、親にとってもクラスメートは気になるものの、「新しい担任」はいっそう気になるものです。それは「子どもの事情をまたイチから説明しないといけないのかしら・・・」ということです。親御さんの願いは、前の担任の先生から「昨年度の登校状況や本人の情報や性格」などをなるべく細かく『引継ぎ』しておいてほしいのです。
実際には、親御さんに対して「引継ぎ」をうけている先生と、イチから「何で(学校に)来れないのですか?」という先生の割合は「半々」という感じでしょうか。もちろん、学校内部では引継ぎはあるものの、親御さんの手前は「引き継いでない」と話しておられる場合もあるかもしれません。
しかし、不登校のカウンセラーとして一番大事にしたいのは「親御さんのモチベーション・安心感」などです。学年が替わるたびにイチから説明しないとと考えるだけで気が重たくなってしまったり、再登校に対するモチベーションが一気に下がってしまう場合もあるのです。どれだけ細かく引き継いでおられるかは別としても「去年の担任から聞いてますよー」という一言があるだけで安心して、「よし、今年もがんばろー」という親御さんも多いのです。
2016.04.13 著者:《大阪府豊中市 淀屋橋心理療法センター》福田俊一
記事内容の監修医師
淀屋橋心理療法センター所長 福田 俊一
- 医師。精神科医。淀屋橋心理療法センターの所長であり創業者。
- 日本の実践的家族療法の草分け的存在。
- 初めて家族療法専門機関を日本で設立し、実践、技法の開発、家族療法家の育成に貢献した。
- その後は、摂食障害、不登校、ひきこもり、うつ、家庭内暴力(子から親へ)、リストカット等の家族療法の開発に尽力している。
- 著書多数。
シリーズ記事
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2016.04.13
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